エンジン後部のブレード数十枚破損 大韓航空機出火
羽田空港で大韓航空機の左翼エンジンから出火した事故で、運輸安全委員会は28日、エンジン後部のタービンにある羽根状の排気用ブレードが数十枚破損していたと明らかにした。
エンジン前部のブレードには破損がなかった。安全委は何らかの原因で外れた部品が高速回転するブレードを壊した可能性があるとみて調べている。
安全委は週明けにもエンジンを製造した米国メーカーと共同でエンジンを解析し、事故原因の特定を進める。
ボーイング777型のジェットエンジンは前部から空気を取り込んで圧縮し、燃焼室でジェット燃料と混ぜて燃やす。その結果、発生した高圧ガスで後部のタービンを回し推進力を得ている。
安全委がエンジンの内部をカメラで調べたところ、後部のタービンにある数十枚の排気用ブレードが根元から折れたり、傷ついたりしていた。
滑走路にもブレードの一部が散乱しており、内部からエンジンのカバーを突き破ったとみられる。エンジンの前部にあるブレードに異変はなく、タービンの部分に何らかの異常が生じた可能性がある。
国土交通省などによると、大韓航空機は27日午後0時40分ごろ、C滑走路(3360メートル)南端から北西に向けて滑走を開始したが、約1300メートルの地点で停止。消火作業を行い、乗客乗員計319人は、シューターで緊急脱出した。