罰金・生産停止盛る 国交省、燃費不正で再発防止策
三菱自動車とスズキの燃費不正問題で、国土交通省は16日、最終的な再発防止策をまとめた。自動車の量産に必要な「型式指定」の審査で虚偽申請した場合、30万円以下の罰金を科すなど処分の厳格化が柱。同省の審査部門に直結した通報窓口を新設するほか、前倒しで燃費測定法を見直すことも盛り込んだ。
国交省は同日、道路運送車両法に基づく省令を改正。メーカーの虚偽申請などの不正行為が発覚した場合、30万円以下の罰金を科したり、車を一定期間生産できなくしたりする処分規定を盛り込み、即日施行した。これまで虚偽申請についての罰則は明文化されていなかった。
メーカーが国に提出するデータの測定試験時に、国の検査機関の職員が抜き打ちで立ち会ったり、型式指定取得後も申請過程での不正の有無を調査したりするなど、監査体制も強化。同省のホームページを通じて、担当課に不正を直接通報できる窓口も新設する。
2018年10月に導入予定だった国際統一基準に基づく燃費測定方法を、来年3月末までに前倒しで導入することも決めた。現在、燃費の基準データは3回分の平均値をとることになっているが、3回のうちどの結果を選ぶかは明記されていない。三菱自は問題発覚後の再測定で、数十回試験して良好な値を使う不正をしていた。新基準では全試験の平均値を使うことが義務付けられる。
三菱自の再測定での不正について、石井啓一国交相は16日の記者会見で「法令順守と再発防止への姿勢に疑問を抱かざるを得ず極めて深刻な状況」と批判した。