村上元代表「相場操縦の意図ない」 強制調査に文書で反論
金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で証券取引等監視委員会の強制調査を受けた旧村上ファンドの村上世彰元代表(56)は4日、「株式市場を裏切るような相場操縦をする意図も理由もなく、市場を混乱させたようなこともない」と反論し、自身は無実であると主張した。同日、報道機関向けに配布した文書で明らかにした。
村上元代表が公にコメントするのは、2006年のインサイダー事件で逮捕直前に記者会見して以来。
監視委は11月25日、村上元代表が14年6~7月、東証1部上場のアパレル大手、TSIホールディングスの株価を不正に引き下げたとして、長女が代表を務める投資会社など関係先を強制調査。元代表らを任意で事情聴取し、刑事告発も視野に全容解明を進めている。
村上元代表の公表した文書によると、元代表は支配下にある関係会社数社でTSI株を2014年5月末時点で約400万株保有。ただ同社の経営改革が進まないことから手放すことを決意し、順次売却。6月末に約280万株まで、7月末には約140万株まで保有株を減らし、15年1月ごろに全株を売却したという。
元代表は「当時は投資資金確保のために高く売ることを考えていた。TSIの株価下落は保有資産の減少を意味し、マイナスであることは明らかだ」として、株価を下げる相場操縦をする動機はないと主張した。
監視委は村上元代表が証券会社などから株を借りて大量売却し、値下がりした後に買い戻す「空売り」という手法を悪用したとみている。一方、元代表は「空売りは古くから使われる手法。市場参加者を混乱させることはない」と強調した。
元代表は「全容は監視委に説明し、私の無実が明かされるものと信じている」とも述べた。
元代表は4日付でネット上に「村上世彰オフィシャルサイト」を開設した。