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2024年12月 5日 (木)

まずは直近3年11兆円増税を解消

減税の提案が示されると、すぐに財源を確保しろとの主張が浮かび上がる。

歳入が不足するなら国債を発行すればよい。

財政が経済に与えるマクロでの影響は財政収支尻によって決定される。

7兆円減税を実施して国債で財源を調達するなら7兆円の財政刺激効果が発現される。

他方、7兆円減税を実施して歳出削減と増税でその財源を確保する場合、マクロベースでの財政刺激効果はゼロになる。

したがって、国民生活を支えるために減税論議を提示する際に、その財源を歳出削減や増税で賄うという発想自体がナンセンスである。

1996年度と2023年度の一般会計税収を比較してみる(単位:兆円)。

1996年度 2023年度

一般会計税収  52.1   72.1
所得税     19.0   22.1
法人税     14.5   15.9
消費税      6.1   23.1

増減は以下の通り(単位:兆円)。

税収+20.0 所得税+3.1 法人税+1.4 消費税+17.0

消費税だけが突出して拡大した。

消費税はいまや最大の税収費目。

2020年度の一般会計税収は60.8兆円。

20年度から23年度への3年間に一般会計税収は11.3兆円増大した。

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国民の税負担が11.3兆円も増えた。

11.3兆円の増税と表現してもよい。

11兆円増税が実現した最大背景はインフレだ。

黒田日銀はインフレ推進の旗を掲げた。

しかし、短期金融市場に大量資金を供給しても民間銀行の与信が拡大しないとマネー残高=マネーストックは増大しない。

マネーストックが増大しないとインフレ率は上昇しない。

このため、2013年に「2年以内にインフレ率を2%以上に引き上げる」とした公約は実現しなかった。

黒田日銀のインフレ誘導は失敗した。

ところが、状況が一変した。

2020年にコロナパンデミックが発生してコロナ融資が激増した。

日本ではバブル期以来のマネー増大が生じた。

これが主因となってインフレが発生した。

2023年1月には消費者物価上昇率が前年同月比4.3%を記録。

目標をはるかに上回るインフレが発生した。

日銀は当然、インフレ抑止にかじを切り替えねばならなかったが黒田東彦日銀総裁は2023年春の退任までインフレ誘導の旗を降ろさなかった。

日銀総裁が植田和男氏に交代して、ようやく日銀の政策修正が始動した。

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このインフレで国民の税負担が激増した。

2020年度から23年度の3年間で11.3兆円増税が生じた。

インフレ誘導を画策したのは財務省。

インフレは税収増をもたらす。

インフレは債務残高の実質価値を減少させる。

インフレは財務省の利益になるために推進された。

庶民にとってインフレ誘導は悪夢でしかない。

庶民がインフレ誘導に賛同することはザイム真理教に帰依するものと言える。

インフレ分だけ実質賃金が減少する。

インフレ分だけ虎の子預金の価値が減る。

労働者一人当たりの実質賃金は1996年から2023年までの27年間に16.7%減少した。

日本は世界最悪の賃金減少国である。

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消費税が1989年度に導入された。

1989年度から2023年までの消費税収合計は509兆円。

同じ期間に法人の税負担が319兆円、個人の所得税・住民税負担が286兆円減った。

500兆円の消費税収はそのすべてが法人と個人の税負担軽減で消えた。

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個人の負担軽減の中心は富裕層。

消費税率は10%に引き上げられ、これが所得の少ない人々の生存権を侵害している。

いま直ちに実行するべき施策は消費税減税。

まずは、消費税率を5%に引き下げるべきだ。

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