6巻はジュリアがメインのエピソード。主人公サイドの物語はまだのようだけど、SCMを盗んだ黒幕が動き出したり、あの大物が小物のように敗北したり、これまでの流れをリセットするかのような波乱の展開だった。
主人でも、奴隷でも、フリーでもない、謎のSCM所有者の正体を探るために学校に潜入捜査したジュリアと台東フジコだったが、探す前に向こうからアプローチをかけてきた。
まずは通常の主人のSCM所有者「
北ミナミ」が放課後呼び出しをかけてきた。
一方的にジュリアの正体を知っている有利な状況だったのに、自ら正体を明かすとは意味があるのか馬鹿なのかここでは判断つかず。
リュウオウはこのミナミを拉致する作戦に打って出ることにしたが、その前にジュリアは体調不良で倒れてしまった。
普段の激しいプレイのダメージが溜まっているのかと思えばあながち間違っておらず、リュウオウの子供を妊娠していた…
これは奴隷が主人に心を捧げる第二段階というもので、ジュリアはSCMによる偽りの忠誠心に完全に染まってしまっていた。
ここまで来ちゃうといくら本人が幸せでも、一番の被害者に思えちゃうね。虐待されている子供を保護しても親の元に帰りたがるようなものだ。ひどい現状。リュウオウも子供だから、責任なんて取らないだろうし。
どうにか復活したジュリアとフジコは指定された教室に出向くとそこにはミナミともう一人教師で第四の存在「
世田谷ツバキ」が待ち受けていた。
名前だけは前にも登場していて、SCM開発者の犬の主人からSCMを盗みばら撒いたこの奴隷ゲームの黒幕だ。こいつが所有しているSCMが特別仕様なため奴隷でも主人でもフリーでもないアイコンを示していたのだった。
J(ジャッジメント)-SCM。他のSCMと違い何かしたチート機能が付いてるんだろうな。
悪者にらしくこいつの思想は狂っていて、わかりやすいマッドサイエンティスト。拉致作戦もあっさり失敗してフジコはツバキの奴隷になり、逆にジュリアは拉致されてしまった。
それにミナミはあの練馬ムオンの孫で、ムオンを奴隷にしてしまっていた。
こんな大物キャラに勝ってしまうとかミナミのキャラがわからんな。ムオンの唯一の弱点が可愛い孫娘だったとかそんなんかな。もっと小さいころから裏で守っていたみたいだし。
敵勢力に囲まれて無理やりSCMの勝負をさせられそうになったジュリアは自らのSCMを噛み砕いて勝負を回避。リスクのある行動だけど、リュウオウ様への忠誠心がなせる技だった。人をここまで壊すリュウオウにはドン引きだねw
だがジュリアは奴隷の第三段階まで来ていて、SCMがなくてもその記憶で勝負ができる状態にまで悪化していたw ドラクエの職業で言えば「いたについてきた」というやつだろうか。
勝負内容は3時間後にどれだけ体重を減らせるかという、怪しげな勝負内容。最近こんな黒い勝負ばかりだw
ミナミは予め錘を飲みこんでいてそれを吐き出すことで大幅な減量に成功。一方のジュリアは血液を抜くことで減量をして勝利。
減量という時点で想像はしていたが、SCMで植えつけられた偽りのご主人様のためとはいえ、黄金の精神が宿ったような覚悟で常軌を逸した勝負する姿に頭の弱いキャラとは思えない凄みを感じた。
また同時に、洗脳とはちょっと違うんだろうけど、今回のジュリアの物語は洗脳されるという怖さがにじみ出ている展開だった。
もしかしたら、これがSCMの効果なのか、あるいはSCMはただのきっかけでジュリアの本心なのかというのも物語のテーマなのかもね。
ジュリアがミナミを奴隷にしたことであの憎きムオンをも奴隷にできたはずで、次なる展開に気持ちが舞い上がったが、ミナミはすでにツバキに用済みで切り捨てられ、ボロ雑巾のようになったムオンはツバキの奴隷になっていた。
ムオンさん、スペック的には最強だったのにどうやって負けたんだよ。裏の世界の歴戦の老兵の戦い見たかったし。
そしてリュウオウ一派にも何かあったのかリュウオウにピンチが訪れていた。
これもツバキ一味が何かやったのだろうか。
ここまで強キャラ風を吹かしてきたリュウオウも所詮は黒幕のゲームの駒にすぎなかったのか?
ラスボスであってもおかしくないと思っていたキャラたちがボロ雑巾になったり、ピンチに追いやられたり、物語の構図がガラッと変わる超展開った。ムオンはともかくリュウオウはそう簡単にやられるとは思えないからここからの巻き返しも期待!
個人的な評価★★★★☆
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