入間 人間
アスキー・メディアワークス (2012-01-07)
売り上げランキング: 99
1巻から右目を失ったり、神様と呼ばれる新興宗教の教祖シラサギに戦いを挑んだりしていて勝負のステージがいきなり高かったが、2巻ではその勝負に敗北しいきなり引きこもりになっていた。
石竜子はシラサギに挑み、散々挑発して二人っきりで特殊なルールのオセロゲームで対戦するが、その特殊性ゆえに慣れているシラサギに敗北した。宣戦布告の延長線上の勝負だったからそこまで気に病む事ではなかったけど。
シラサギは神様と呼ばれていいるが、その本性は実に人間らしく性悪女だったw そして石竜子は神様を失脚させるという目標は持ちながらも殺し屋などから命の危機を感じ引きこもりになってしまった。
右腕を失くしたナメクジは不便な生活を強いられながら、巣鴨への復讐心を燃やしていた。巣鴨もえげつないが、殺し屋という仕事をしている以上ナメクジも自業自得だよね。でもこの復讐心が半端なくて応援したくなった。
ナメクジの右腕や石竜子の右目を奪ったカワセミの能力は物を1cmだけテレポートさせるという能力だった。これによって腕だけを移動させて切断していたわけだけど、黒子もこんなことできるのだろうか…
物語はナメクジサイドの話と、石竜子サイドの話とで話に分かれていた。この別々の話が、細い関係性を手繰るように最後に繋がるのは見事だった。
ナメクジには元AV女優を誘拐するという仕事の依頼がきていた。そのAV女優は顔が巣鴨に似ているということで以来を引きうけたのだったw
石竜子は引きこもりながらネットオセロで対戦して不正をしてある強敵を倒すと、その相手が突如家にやってきて石竜子を拉致ってしまった。
石竜子が拉致されてしまったのは、石竜子が目の色を変えられるだけの超能力をオセロで勝つ特殊能力だとはったりをかましたからであった。この物語の魅力はこの石竜子のはったりだね。
誘拐された石竜子はあるお金持ちの家に連れて行かれ、そこで賭けオセロの代打ちを頼まれたのだった。しかも頼んだ金持ちに対しても瞳の色変えを特殊なものだと騙して勝ったらお金と自分の前任者の女を貰う約束をしたのだった。
ただの中学生が虚言でここまで大それたことをできるのは、中二病を通り越して設定どおりの人間になってしまっている気がするw
そして石竜子が誘拐されたことを遺憾に思う巣鴨は犯人の抹殺を護衛である白ヤギに頼んでいて怖かった。白ヤギがまだまっとうな精神を持っているのが救いだった… それでも白ヤギは殺し屋だし、まっとうなヒロインがまったくと言っていいほど登場しないじゃないか。
ナメクジはAV女優の誘拐に出向き、その殺し屋としてのセンスを見せつけた。護衛の男共何人も殺し誘拐に成功した。このAV女優は相手の心が読めるという超能力者で賭けオセロの石竜子の対戦相手であった。しかも石竜子がこのAV女優のファンという繋がりが面白いw
誘拐を依頼した人物も石竜子を誘拐を指示した男と同一人物でこの辺の意図はこの上巻では明らかにされなかった。
AV女優は逆にナメクジをボディガードとして雇い、一緒に賭けオセロの会場に向かった。このAV女優は巣鴨への復讐心しかないナメクジの心の清涼剤になるのかな。
オセロ会場には巣鴨父娘とシラサギ、カワセミも一緒に来ていた。石竜子がオセロに勝つために考えた手は、白ヤギのテレパシー能力を利用してオセロがめちゃくちゃ強い巣鴨にヒカルの碁のように助言を貰うというものだった。ただし、助言を貰う相手が巣鴨ということを石竜子は知らないから余計な借りを作ってしまっているように思うw
こうして色々ば場所で動いていたキャラクターたちが全員会場に揃った。ナメクジと巣鴨も同じ会場に揃ったことで、ナメクジはバーサーカー状態になった。無差別に一般人も切り裂いていたからかなり怖かった。
この混乱に乗じたのかはわからないけど、カワセミにより会場内のシャンデリアが落下し暗闇に包まれた。それにより何やらカワセミとシラサギは行動を開始したが、何が目的かはわからなかった。この教祖はけっこう表舞台に立って物語に絡んでくるんだね…
会場は騒然とし、主要人物たちはバラバラになってしまった。オセロの試合どころではなかった。対戦見れなくて残念だった…
石竜子とAV女優は一緒に最初のお金持ちに誘拐され、ナメクジは人違いでオセロの景品だった謎の少年と共に逃亡し、巣鴨は父と白ヤギと共に帰宅した。
景品の少年や石竜子が知っているから欲しがった前任者の女など、謎だらけな上で終わった。わりと下巻だ楽しみだ。
個人的な評価★★★★☆
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