意味深に登場した咲、めだかと喜界島の女の友情物語、善吉とめだかの生徒会選挙での決着などなど常に盛り上がりっぱなしのお祭りのような内容で、第2部完結に相応しい高密度な1冊だった。
物語は箱庭学園体育祭から。
王土さんが久しぶりに登場したり、めだかVS全校生徒の綱引きではめだかが圧勝するも敵対する善吉が根性を見せたり、学園ものという感じだった。
スピンオフであるグッドルーザー球磨川から登場の支配者を支配するスキルを持つ須木奈佐木咲は球磨川とあのような因縁があるから何かあるかなと思っていたけど何にもなく、現在はアイドルの仕事をしていて学園祭のゲストに呼ばれプロ意識の高さを見せていた。
上半身裸になり、客に見せてしまっていたけど、後姿なのは残念だったw
対立する善吉とめだかの板挟みになっている喜界島はその気持ちを全校生徒の目の前で叫んでいた。
これにはかつて喜界島を殺そうとした宗像も拍手を送り、人の気持ちがわからないと言われているめだかの心をも動かしたのだった。めだかは善吉たちの演奏にも涙を流し、この文化祭が大荒しの前の最期の日常だった。これ以降めだかは喜界島のことを「喜界島会計」ではなく、「もがなちゃん」と呼ぶようになって対等な友情が芽生えているようだった。
そしていよいよ学園は生徒会選挙モードになり、立候補しようとする善吉に対し球磨川は相変わらず嫌なことを言っていた。
確かに死んだら告白できなくなるけど、そんな高確率で死んだりはしないだろう。相手はめだかちゃんだしなおさらだ。しかし100%ありえなくはないことを言っているところが性格悪いね。
選挙当日は大刀洗さんが立ち上がっていた。クララが立つより感動的なシーンだ。そもそもクララが立ってもまったく感動しないけど。
選挙演説は中学生たち五人から始まった。五人一組での立候補だけどOKらしい。
演説内容はこの漫画の突っ込みどころを突っ込むような内容で面白かった。生徒の格差とか事あるごとにバトルするとか、破壊される校舎とか教師が不介入とかまったくもってそうだよね。校舎の崩壊はアニメだとなおさらひどいしw
善吉はめだかに頼るのを止めようと主張し、めだかは他人の役に立つために生まれてきたと従来の主張を繰り返した。で、ここで善吉のスキル「愚行権(デビルスタイル)」の詳細が明らかになった。これはご都合主義を排除するスキルで、マンガやラノベにおける主人公らしいイベントに遭わない能力だった。曲がり角で女の子とぶつからなかったり、敵の攻撃がギリギリ急所を外れなかったりするらしい。
つまり善吉は主人公補正を使わずにめだかに勝つことを目標に掲げていたのだった。
その結果善吉は圧倒的票数でめだかに勝利した。めだかはわずか2%で中学生にも負けていた。
この結果に取り乱して、精神が不安定になって弱々しくなるめだかちゃんが珍しく可愛い。真黒の言う通りヒロインは強すぎちゃ駄目だね。
生きる目的を失くしためだかは再び善吉にそれを聞いたけど、今回の善吉はそんなもん自分で探せとめだかを突放し告白もしなかった。
しかし善吉の言葉でめだかは活力を取り戻し救われ、きちんと負けを認めた。これまでずっと上から目線だっためだかが土下座して謝罪するなんて、善吉は大勝利だね。
絶対的主人公であっためだかを倒した新たな主人公善吉に安心院は満足かと思ったら、安心院は左手の人差し指と親指を立て銃の形にして、こともあろうに自殺しようとした。
そしてついに安心院の回想が始まった。安心院は3兆4021億9382万2311年と287日生きていて、宇宙誕生以前から生きていたww
安心院の自殺はめだかがが黒神ファントムで止めたけど、コミックスは当然ながら白黒印刷。ジャンプ掲載時はカラーで、そのことを安心院がメタ発言してたけど、白黒になってセリフが変更されていた。
どっちもメタ発言ではあったが、そのセリフを受けめだかは
シミュレーテッドリアリティという「この世界は作り物で自分はその中のキャラに過ぎない」と信じてしまう病気らしく、1京のスキルを持つ安心院がなんとこんな庶民的な病気だった。
宇宙の誕生、地球の誕生、生命の誕生、人工的に天才を作ることの成功など何でも思い通りにできてしまう安心院さんはこの世界を本当に漫画の世界だと信じていた。
安心院さん大正解じゃないか。この世界は漫画で安心院さんは登場人物の一人でしかない。しかしそういう事実を踏まえてのこれまでのメタ発言の数々と今回のこういった安心院の真実のトリックには騙されてしまった。
安心院のそんな妄想に善吉を巻き込んだことをめだかは激怒しゲンコツで安心院を説教して一年十三組に転入させたw
そうして安心院を封印する最後の螺子も外れ、安心院は涙して人生を今一度謳歌することを受け入れたようだった。めだかは球磨川以上に曲者な安心院までも救ってしまったのか…
最後にめだかは生徒会長の腕章を善吉に託し、キスをした。行き過ぎ愛情表現ではなくぴったしな愛情表現。
これにて第2部は完っ!!どこからが第2部だったかは知らないけど、次からは『漆黒の花嫁衣装』編がスタート。
最後のページには善吉とめだか二人仲良くベンチに座る後ろ姿が描かれていて、すごく雰囲気が良さそうだった。リア充を絵にしたらこんなんなんだろうね。
普通(ノーマル)である善吉が女の子と幸せそうなのに、くそっ!
がんばってくれ球磨川さん!
個人的な評価★★★★★
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