伏見つかさ
アスキー・メディアワークス (2013-06-07)
売り上げランキング: 12
ついに最終回!
結論を言ってしまえば京介が選んだのは実妹である桐乃。シリアスに実妹ルートを突き進んだ京介の話が最終回の物語。
そんな京介が桐乃と恋人同士になるために、これまでフラグを立ててきたヒロインたちを振って行く様は酷いものだったw
最初は京介と桐乃のクリスマスイブのイチャイチャデートから始まり、そこから回想が始まってまずはあやせの話。
あやせはセクハラとか変態とか京介を罵っていたけど、本心はそんな京介のことが好きで可愛い通い妻だった。
これまでの京介とあやせのやりとりは面白かったなぁ。ツッコミ役の京介が珍しくボケに回るようなやり取りで…
京介に振られたあやせの最後の一撃は好感度を上げる。マジ天使。
あやせの次は黒猫で京介の好きな人とはもしかしたら相応に黒猫だと思っていた。
一時期は正式に恋人同士となり、別れた時京介自身も未練があったようだから十分あり得る展開だと思ったが、またしてもこっぴどく振りやがったw
黒猫のリア充への呪いの言葉がまるで断末魔のようで、衣装も「復讐の天使“闇猫”」に変わり不憫でならなかった。
恋人時代の回想で黒猫が警察に職室されて電波を放つ楽しい日常や、イチャイチャデレデレ水着回とかあったのに…
京介ひっでー!
こうして二人を振っての京介の桐乃へのプロポーズに、桐乃は泣きながら「はい」と応えたのだった。
演出敵には感動のシーンなのにすごい兄妹だなと思った。倫理的にも法的にも許されない道だし。エロゲーじゃあるましw
そもそも桐乃ルートを選ぶのは想定外だった。作者も前に桐乃ルートはないとか言ってなかったか?
そこから先は兄妹物のエロゲーのような甘い展開で兄妹同士のラブラブ生活が待っていたw
手を繋いでのデートや、桐乃が京介の布団に潜り込んで寝たり、知り合いには自慢するし、身体がかゆくなるようなイベントだらけで、こんな展開エロゲのノベライズ本かよ!
一応フラグが立っていた加奈子の話も京介と桐乃のカップル成立後ではあったがちゃんとあった。
加奈子は漢だな。アイドルとして活躍しているのに、そのイベント会場に京介を招待してファンの前で告白とかww
アイドルとしてかっこいいじゃないか。皆の前で振られていたからこれから先もアイドル業は大丈夫なのかなw
そして卒業式に最後に対決したのは幼馴染みの麻奈美!
これまでずっと京介の味方であり続けてきた麻奈美だけど、今回は京介の敵。さらに桐乃も中学を卒業したためもう子供扱いはしなかった。これまでは桐乃を子供扱いして色々大目に見てきたんだね。麻奈美怖い。
この作品における数少ないまともなキャラである麻奈美は京介と桐乃の関係に普通の反応を示してくれて良かった。これで麻奈美までが認めてしまったらどうしようかと思った。数文前で京介の敵と書いたけど、常識的に考えれば京介たちのためを思っているから味方だな。
桐乃の挑発に対していきなりの腹パンから始まり、「積年の恨みを晴らす」とか理性的かつというか当たり前に普通に「気持ち悪い」「普通じゃない」「異常」「たくさんの人が気持ち悪いと感じる」とか「現実を見て」などこの二人にとって耳が痛いであろう言葉を浴びせた。
そして京介に告白をするもやっぱり京介は近親相姦上等と桐乃を選び、麻奈美は「気持ち悪いね」「ほんと、最悪の返事だね」と言う言葉を残し去って行った…
最後の救いの手を払った二人…
京介と桐乃は禁断の関係を突き進むことにしたけど、どこかでまだこの二人なら良識ある判断をしてくれると信じていたのにな…
麻奈美にまでこんな態度を取るなんて俺も麻奈美と同じ気持ちだ。ドン引きだぜ。ここまで尽くしてくれた麻奈美に救いがないじゃん。
引き続き卒業式の日、京介と桐乃は教会で二人だけの結婚式を挙げキスまでしていた…
と、ここでネタばらし、みたいな感じで二人は卒業までの限定でカップルでいることを約束していたと打ち明けた。最初からそういう取り決めがあったからこそ、麻奈美の前でも誰の前でもバカップルでいられたそうだ。
一時的だろうが何だろうが兄妹で恋人同士になるなんてどうかしてるだろw
二人もそれをわかっているから最終的に普通の兄妹の関係に戻ることにしたんだろうけど、好きという感情は止められないじゃないのか?京介も桐乃に何でも言うことを聞いてもらう権利をああいう使い方してたし。
このルートは賛否両論なルートになんじゃないかと思う。桐乃ファンにとってはよくても、麻奈美ファンにとってはどうだろうね。
はたしてこれで周りとの関係は元に戻ったのか。そして京介と桐乃は普通の兄妹として今後どういう人生を歩んでいくんだろうか…
10年後の物語はBlu-ray1巻の特典というのがずるいなw 超気になる。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」という作品全体を振り返れば二次元キャラっぽさをうまくデフォルメしたキャラが多数登場し、最近のラノベらしいお手本のような作品だったと思う。
実在する固有名詞が出てきたり、Twitterでの桐乃と黒猫、現実世界での活躍などなどそういった新しい試みにも積極的で良い意味で目が離せない作品だった。
キャラ萌えがあると同時にコメディものとしてのストーリーも面白かった。これで終わってしまうなんて喪失感があるなあ… 短編集ももう出ないんだろうか。
この作者の次回作も期待しよう!
個人的な評価★★★★☆
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