庵田 定夏
エンターブレイン
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よく心と身体が入れ替わってしまうという物語はあるが、これはそれが男女5人の相田でランダムに突然起き、またランダムに元に戻るというややこしい現象が起きるという話だった。
それと絵を担当している白身魚氏の絵がけいおん!!のキャラにしか見えない!この点が非常にポイントが高い!挿絵だけでも楽しめる域に達している。
魂の入れ替わりが起きる私立山星高校文化研究部の五人のメンバーは皆個性的で面白かった。主人公の
八重樫太一は比較的まともで、
永瀬伊織は明るくぽわぽわとした性格。
稲葉姫子はクールで頭がいい。
桐山唯は小柄でおてんばな感じ。
青木義文おちゃらけたキャラで常に唯に愛をささやいている。
この五人のメンバーはとても仲が良く、男女の身体の入れ替わりが起きてもやましいことはしなかった。それでも突然起きる入れ替わりによる弊害は生まれた。
男2人がそれぞれ唯と稲葉に入れ替わった時、互いに女の子の姿で告白させてみたりしていて面白かった。まだいたずらレベルだからいいけど、悪乗りしかねないかもねw
ヒロイン3人にはそれぞれトラウマのようなものがあり、それがあらわになった。
唯は昔男に襲われた経験から男性恐怖症になり、それをこれまで隠していた。それが入れ替わりで周りにバレてしまった。しかしそれを救ったのは青木ではなく太一だった。めだった点がないと思ったのに、とんだフラグ建築士で驚いたw 唯に恋する青木はどうなってしまのかきになる。
一番気が強くて、黒幕である
<ふうせんかずら>に一番に突っかかっていった稲葉でさえ弱い一面があった。一番心が強そうに見えたのに。
それは仲間を信用しつつも、もしかしたら入れ替わっている時に悪さをしているかもと夜も眠れなくなっていることだった。そして仲間に対しそう思っている自分にも嫌気を感じていた。
クールビューティなのにこういう一面もあってますます稲葉が好きになった。そしてそんな稲葉を救うために太一は自分の秘密をばらしたw
その秘密が稲葉や唯、伊織をオカズにしたことがあるということだったw それを本人の前で言うなんてすごすぎるw しかしこれで稲葉にもフラグが立った。さすがだ。
稲葉は太一のおかげでこの悩みを解決し、稲葉も太一のことをオカズにしたことがあるると打ち明けた。真実だろうかねw
最後の伊織は人に合わせてキャラを変えることがうますぎて、どれが本当の自分かわからなくなるという悩みを抱えていた。でもこれは比較的たやすく解決した。
問題はその後で、<ふうせんかずら>が伊織の身体に乗り移って、川に飛び込み伊織は怪我を負い重体になった。しかも<ふうせんかずら>はあと30分で伊織の身体は死ぬからどの魂と一緒に死ぬか選べと究極の選択を五人に迫ってきた。あまりにも外道すぎる…
結局は伊織の身体と共に死ぬのは伊織の魂しかない。だから集中治療室にいる伊織は稲葉の身体を使って部活の仲間と最後のお話をした。辛すぎる…
そして太一との会話ではお互いに好きだと告白をしてキスをした。稲葉の身体でファーストキスだった。いつも元気な伊織だったけど「死にたくない」と泣きじゃくるシーンは悲しかった。
この物語はいつか<ふうせんかずら>に逆襲する機会が訪れるのだろうか。<ふうせんかずら>には憎しみしか浮かばない。
1巻は人格の入れ替わりだったけど、2巻以降また違う現象のようだ。アニメ化も決まっているようだし期待したい。
個人的な評価★★★★☆
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