宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

浅尾慶一郎さん除籍 神奈川4区院替え出馬に関する私見

2009年07月24日 22時25分01秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 政権交代をかけた選挙を迎え、私も大変なストレスを日々感じております。ですから、思うことはドンドン書いて出していかないといけないと思うのです。

 民主党ネクスト防衛大臣の浅尾慶一郎・参院議員(神奈川)が24日午後3時、民主党の公認候補が決まっている神奈川4区への院替え出馬を発表し、民主党に離党届を提出しました。

 これに先立つ午後1時からの記者会見で岡田幹事長は、記者の質問に対し「参院議員の身分に関することだから軽々に答えられない」としたうえで、「浅尾さんが午後3時から記者会見をする」ことを把握していることを明らかにし、内ポケットから日程表を取り出し、午後4時半からの「岡田・埼玉遊説」の日程を知らせたうえで、その前の時間にぶら下がりインタビューに応じることを示唆する発言をしました。

 この時点で、対応は決まっていたようです。

 解散に関する一連の記事のひとつ、岡田幹事長が3点の事務連絡 両院議員総会のエントリーで書いたように、解散に伴い総選挙(8月30日)までは党の役員会と常任幹事会を開かず代表・幹事長に一任することが了承されていました。いわば“戦時体制”“戒厳令”を確認したわけです。なので、“常幹マター”であるこの件も、鳩山代表と岡田幹事長の決済で、離党届を突き返し、速やかにきょう付で除籍処分となりました。

 岡田幹事長名のコメント(PDFファイル)では、浅尾さんは「再三の説得にも応じず、身勝手な理由でわが党の公認候補予定者に対抗して立候補しようとしていることは、国民の期待を裏切る背信行為であり、党の倫理規範に反する許し難い反党行為である」「本日付で除籍処分とする」としました。政権交代をかけた戦いの最中の許されない反党行為であり、処分は当然ですし、党規約の解釈にかなっています。

 岡田さん厳しいですね~。しかし、最後の一文に岡田さんの合理的厳しさと優しさ、そして政治的な柔軟性が内在していると思います。

 「なお、本処分は、解散後の常任幹事会決定事項が代表、幹事長に一任されていることにもとづく決定であり、倫理委員会への諮問については、党倫理規則第6条にもとづき、総選挙後に行うこととする」

 「総選挙後に諮問する」ということは、浅尾さんが無所属で神奈川4区を勝ち抜いた場合は、その後の倫理委員会の決定で「7月24日付除籍」が覆る可能性が残っているということだと思います。

 私はこのことに触れているのは、理論や理屈ではなく、自分の心情が初めにあることを正直に吐露します。

 このブログの左側に並んでいる海自のインド洋派遣&防衛利権(65)というリンクをクリックしていただくと、浅尾さんが登場する国会傍聴記が何本も出てきます。私は「守屋問題」など参院外交防衛委員会の論争にかなりの情熱を注ぎました。浅尾質問は私にとって大きな楽しみでした。

 私は1998年秋~2002年春まで、日経新聞横浜支局記者をしていて、東京政治部出身ですので、日経社内であまり馴染みがない国政に関する記事は、ほとんど私が書いていました。

 参院議員・浅尾慶一郎誕生には複雑な経緯があります。地域事情に関することなので、不明確な点があればご指摘くださるか、お許しいただきたく存じます。浅尾慶一郎さんは国政初挑戦の衆院選落選後、1998年夏の参院選で神奈川選挙区(定数3)で初当選しました。

 連合神奈川は「日産自動車・関東自動車工業など自動車総連」をはじめとした同盟系労組が、総評系労組よりも強い傾向が他県に比べてあります。新進党としてのぞんだ1995年の参院選は創価学会出身の松あきらさんが旧民社党(同盟系労組)の応援も得て当選しました。この見返りとして、1998年の参院選では創価学会は候補者擁立を見送り、民主党公認の浅尾慶一郎さんを支援しています。これにより、総評系労組の応援を得た社会党出身の千葉景子さんとあわせて民主党公認2人を当選させることができました。

 で、私が横浜に移った後、1999年に公明党は自公連立に入ります。連合神奈川幹部や県議と話す時にいわゆる“公民協力”のバーターについて聞いてみたら、「松さんを応援して、浅尾さんを応援してもらったから、これで終わりだ」と淡々としていました。

 神奈川県民の45%は横浜市民です。県内において横浜市は人口重心、交通、経済、行政など圧倒的な存在です。全県区選出の参院議員は千葉景子さんのように横浜市に事務所を置くのが当然だと思っていましたが、浅尾さんはずっと鎌倉市に事務所を設けていたようです。衆院神奈川4区への院替え出馬はずっと頭にあったのでしょう。

 神奈川4区に関して言えば、これは地元の方が判断すべきですが、民主党公認候補予定者の政治家としての器に関してはいささか疑念があります。私自身は当時市長だった彼と直接の面識はありませんが、湘南地域担当を兼ねる先輩記者から本人の話、経済界の話を聞いていました。絶対的な評価、相対的な評価とも私の中では浅尾さんに軍配が上がります。

 とはいえ、歴史的な政権交代をかけた選挙で、しかも解散後です。人口800万人を超える神奈川選挙区が補欠選挙になるデメリットもあります。除籍はしごく当然です。

 でも、浅尾さんが神奈川4区で勝ち上がれば、その後に党倫理委員会への諮問が残っているのですから、芽は残っているのです。岡田幹事長は当然、このことは気付いていると思います。岡田さんの合理性はいつも厳しさと優しさが裏合わせになっています。権利と義務が表裏一体であるように。

 すべては神奈川4区の主権者が決めることですので、私はなるべく口出ししたくありませんが、自民党現職もあまり強いとは思えず、小選挙区でも、浅尾さんには3つどもえの勝機はあると思います。

 自民党は新自由クラブなど細胞分裂を繰り返しながら党勢を拡大しました。民主党もいずれ党員・サポーターが多い選挙区では予備選を実施するようになればいいと思いますが、現時点ではそこまでの余裕はなく、まずは国民全体に「政権交代」を問うて闘うことに全総力を掲げなければなりません。

 総選挙(8月30日)までは“戦時”だということですが、当選すれば8月31日以降、主権者から代議士に指名されたという執行部に対する権力が出てきます。苦しくても小選挙区で通れば、執行部からのストレス・プレッシャーは今より軽くなるはずです。

 私はここまで書いたら、だいぶ心が軽くなりました。あくまでも私見であることをご配慮ください。

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民主党、東京12区に青木愛・参院議員を擁立

2009年07月24日 16時59分30秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代


[写真]青木愛さんが今年1月に作製した参院議員としての日常活動用のポスター=同氏オフィシャルウェブサイト

 民主党の小沢一郎代表代行が24日午後3時から、東京12区について記者会見し、青木愛参院議員を擁立することを発表しました。青木愛さんは逆転の夏2007年参院選の全国比例で民主党3位で当選。「ご当地候補」と呼ばれる元国会・地方議員グループではトップで勝ち上がりました。とはいえ、このときの比例全国の上位5人は五十音順で右から4人、左から1人が入っている傾向がありますが、地盤の千葉・東京などでは知名度があるでしょう。

 青木さんは比例ですので補欠選挙にはならず、元参院議員の広野允士さんが繰り上げ当選する見通しです。青木さんは千葉12区比例で衆議院に当選したことがありますので、衆院選では「元職」候補になります。うーん、ちょっと選挙制度があまりにも複雑ですね。長期的な課題としては簡素化していく方向性が必要でしょう。

 ところで、自意識過剰かもしれませんが、ひょっとして私が事前にこの人選を知っていたと勘ぐる方もいらっしゃるかもしれませんが、全く知りませんでした。ただ、「擁立作業が難航しているが週内に発表したい」ということは知っていたので、古田敦也さんではないだろうし、地方議員だと都議選直後で対象者が見あたりませんでした。実際に、隠し球というよりも、一両日中に決まった話だと思います。東京12区の赤羽駅などは“東京の北の玄関”の意味合いがあり、埼玉県南の京浜東北線・埼京線沿線~東京・池袋にわたって関連する“要衝”ですので、ていねいなさわやかな選挙戦が求められます。

 また、TBSラジオによると、きょうの記者会見で小沢さんは「東京12区への国替え出馬を検討していた」ことを公の場としては初めて認めたそうです。

【追記 18:45】

 また、共同通信によると、小沢さんは「私自身が出馬を検討したが、諸般の状況があり、私に代わり必ず勝利できる候補者を探した」と話しました。【追記終わり】

NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで

 民主党の小沢一郎代表代行(選挙担当)は24日、都内で記者会見し、東京12区の衆院選候補に参院議員の青木愛氏を擁立すると発表した。

 東京12区は公明党の太田昭宏代表の選挙区で、一時小沢氏の国替え出馬も取りざたされていた。小沢氏は従来通り、岩手4区から出馬する見通し。

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【動画】鳩山代表、解散後第一声は埼玉8区 小野塚勝俊さんと2カ所で遊説

2009年07月24日 13時52分55秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 鳩山由紀夫代表は23日、解散後の第一声を埼玉8区の所沢駅前と西友小手指店前で挙げました。

 埼玉8区には元日本銀行行員の小野塚勝俊(おのづか・まさとし)さんが立候補を予定しています。
 

 この選挙区は自民党前職(柴山氏)と日本共産党比例前職(塩川氏)に民主党新人が挑むという珍しい構図になっています。鳩山代表が解散後初めての遊説先に埼玉8区を選んだのは、当落線上の激戦だ、と情勢分析をしているからだと思います。

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【きょうの朝刊から】読売世調「支持政党第1位は?」

2009年07月24日 08時12分30秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
[写真]24日付東京新聞1面の衆院選連載企画にのっている図

 おはようございます。

 気が張っていますが、昨日も0時過ぎにはストンと眠り、5時前に起きました。私は8時間眠らないといけない習慣なので、朝食後か、昼食後に短い睡眠(ナップ)を摂りたいなあと思います。8月だけ購読新聞を増やそうと思っているので、そういった事務手続きをきょうはやろうと思います。

 読売新聞の衆院選第2回継続全国世論調査が載っています。8面の詳報を読むと、

 2問目に「今、どの政党を支持していますか。」という質問項目。

 「自民党25・3%」「民主党31・0%」と続きますが・・・これは盲点になりがちで、「支持政党なし32・3%」とあります。

 ですから、現時点の第一党は「支持なし党」です。ただ、「民主党」との差は1・3ポイント差ですから、もう一歩のところまで来ました。

 きょうの朝刊はこれ以外はとりたてて、注目するところはないと思います。天気予報は気になりますが、これは各地の紙面でご覧ください。ということで、このくらいで終わります。
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