囲碁王座戦第3局 井山裕太王座が快勝、4連覇に王手

26日朝から神戸市のホテルオークラ神戸で打たれていた第72期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第3局は、午後5時2分、116手で井山裕太王座(35、碁聖・十段)が挑戦者の芝野虎丸九段(25)に白番中押し勝ちした。対戦成績は井山王座の2勝1敗となり、4連覇と名誉王座の資格を獲得できる通算10期まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち、残りは井山王座が5分、芝野九段が2分だった。第4局は12月6日、神奈川県秦野市の陣屋で打たれる。
- 【NIKKEI LIVE】囲碁王座戦第4局 井山王座vs芝野九段 12月6日配信
この日の対局は、王座が実利で先行し、挑戦者が大きな模様を張る序盤戦で始まった。

挑戦者が黒41と上辺に打ち込んで競り合いに発展した。王座は白72のツケから「攻めのギアを一段上げた」と解説の佐田篤史七段。中央黒83まで下辺から右辺にかけての黒模様を目いっぱい拡大した挑戦者に対して、王座は30分を超える長考の末、白84から88まで、地を損する代わりに先手で上辺を補強。黒の大石に狙いを定めた。
左辺白102が「さすがの一手だった」と立会人の山田規三生九段。黒の眼形を奪いながら包囲網を固めた。最後は左辺白116まで大石を制して、地合いで大差を付けて挑戦者を投了に追い込んだ。佐田七段は「リスクを背負った上で鮮やかに大石を仕留めた王座の会心譜になった」と話した。

囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)、世界学生囲碁王座戦(日本経済新聞社、パンダネット、全日本学生囲碁連盟共催)の対局結果などの最新ニュースと特集・解説をまとめました。