三井物産、米のリチウム鉱山開発企業に45億円出資

三井物産は28日、リチウム鉱山開発の米アトラスリチウムの第三者割当増資を3000万ドル(約45億円)引き受けると発表した。引き受け後の出資比率は約12%になる。約5年間で電気自動車(EV)のバッテリー約100万台分に相当する計31万5000トンのリチウムを買い取る。三井物産がリチウム権益を持つ企業に出資するのは初めて。
アトラス社はブラジルでリチウム鉱区を54カ所保有している。まずは、2024年10月以降に生産を始めるブラジルのネベス鉱山産の供給を受ける予定だ。安定操業後の年間生産量は約30万トンを見込んでいる。
三井物産はEVの普及に伴い、リチウムの需要は当面成長が続くとみる。26年3月期までの中期経営計画には電池材料の開発から生産、リサイクルまで幅広く手がける戦略を盛り込んでいる。これまでに鉱石からリチウムを取り出す工程の低炭素化などに着手している。