ドトール、8年ぶりに制服を刷新 性差なくし環境配慮も

ドトールコーヒーは、主力コーヒーチェーン「ドトールコーヒーショップ」で従業員が着る制服を約8年ぶりに刷新し、国内全店舗で12月から導入する。性別を感じさせないジェンダーレスを意識したデザインにし、生地の一部にリサイクル素材を使った。利用客に多様性や環境を重視する企業姿勢を示すと同時に、従業員のエンゲージメント(働きがい)の向上につなげる。
アパレル大手、オンワードホールディングス(HD)傘下で企業向け制服などを手掛けるオンワードコーポレートデザイン(東京・千代田)が、企画・デザインから製作までを担った。今の時代背景を反映するジェンダーレスなデザインに仕上げたほか、生地の一部には海などに漂着したペットボトルを再利用して繊維にした「UpDRIFT(アップドリフト)」と呼ぶ素材を使用するなど、環境にも配慮したという。
刷新にあたって事前に、従業員に対して改善の要望とデザイン案のアンケートを実施した。「シワにならない」、「黄ばまない」など機能性を重視する声が多く出たため、全ての制服に伸縮しやすい「ストレッチ素材」を使用するなどで機能性を高めた。
ドトールコーヒーショップは2024年2月末時点で、フランチャイズチェーン(FC)店を合わせて全国に1063ある。店舗などで働く従業員は約2万人いる。ドトールの担当者は「店舗の従業員にドトールで働くことに誇りを持ってもらう。エンゲージメント向上にもつなげたい」と制服刷新の狙いを話した。
23年には東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)が、園内で働く従業員の服装などを定めた社内規定の見直しを発表。男性はズボン、女性はスカートなど性別による指定をなくし、従業員が希望する制服を着用できるようにした。国内外の航空会社がジェンダーレス制服を採用する動きも相次いでおり、企業の間で多様性を重視する姿勢が広がり始めている。
(中島芙美佳)