小売りや外食、賃上げ前倒し ビックカメラは12月から
家電量販大手のビックカメラは12月支給分から正社員を対象に6%の賃上げを実施する。「焼肉きんぐ」を運営する外食大手の物語コーポレーションも11月支給分から11%賃上げした。小売り・外食などの流通業は人手不足が深刻だ。他社より賃上げの時期を前倒しし、離職防止や人材採用につなげる。
ビックカメラの賃上げ6%は基本給を引き上げるベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた数字になる。ベアは平均4%となる。...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。