日本経済の追い風、トヨタの実像… 今読むべきお金の本
今読むべきお金の本(36)

今後日本経済に追い風が吹く地政学的な理由とは

「日経マネー」や日経電子版の連載でもおなじみのエコノミストである著者が、これからの日本と世界のマネーの動向についてまとめた一冊。本書では、新型コロナウイルスによるパンデミックをきっかけに、日本は中国の「代わりになる国」となったと説く。そして今、地政学的な追い風が吹き始め、日本にはお金・人・情報・事業が集まってくるという。また、中国やロシアの現状など、世界の地政学リスクについても触れ、その中で我々個人が取り組むべきことを解説している。
エミン・ユルマズ著 / プレジデント社 / 1870円(税込み・以下同)
「積立王子」が投資の本質を語る

「積立王子」の愛称でも知られる著者は元セゾン投信会長で、資産運用会社を創設した。「すてきな会社を応援し、より豊かな未来を実現する」という投資の本質についての持論を解説する。長期投資が有効な理由や投資信託の選び方など、実践的な内容も収録。
中野晴啓著 / 徳間書店 / 1760円
半導体の過去・現在・未来を学ぶ

NECで半導体事業に長く携わった著者が、半導体にまつわる歴史から、なかなかイメージしづらい半導体業界の相関図や主要半導体メーカーの特徴まで幅広く解説。また、業界における今後の日本企業の立ち位置や最新の開発トレンドにも言及。過去から未来までの半導体市場の流れを学ぶことができる。
菊地正典著 / 日本実業出版社 / 2200円
トヨタ自動車の"実像"に迫れる

純利益や時価総額で国内トップのトヨタ自動車。同社会長の豊田章男氏が、創業者の豊田喜一郎氏と時空を超えてつながるという設定の小説。ファンタジー要素を盛り込む一方で、喜一郎氏の伝記やトヨタへの取材を基に書かれ、両氏の思いや苦労を知ることができる。
吉川英梨著 / 講談社 / 3080円
今注目の「防衛」について知識を深める

ロシアによるウクライナ侵攻や、日本の防衛予算の増額などで注目される「防衛」について、実際の世界の衝突や紛争の事例を、一つひとつ解説するスタイルで紹介。また、なかなかイメージしづらい日本の防衛戦略などについてもイラストを用いて説明し、基礎知識からSNSを活用した認知戦までを学べる。
小野圭司監修 / 新星出版社 / 1540円
アクティビストが自らの投資スタイルを明かす

日本の強力なアクティビスト(物言う株主)として知られるストラテジックキャピタルの代表取締役である著者が、あえて改善点が多い会社に投資してきたという自らのスタイルを語る。政策保有株やPBR(株価純資産倍率)1倍割れ改革、親子上場など注目のトピックスについての解説も収録し、今知りたい内容が詰まった一冊。
丸木強著 / 中央公論新社 / 924円
[日経マネー2024年9月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2024/9/20)
価格 : 840円(税込み)
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「お金のことを本でも学びたいけど、たくさん出ていてどれを読んだらいいか分からない」。初心者の方からよく聞く話です。そこでこのコーナーでは「お金×書籍」をテーマとして、今読むべきお金の新刊本や古典の名著などを紹介し、あわせてお金の本の著者にも読みどころなどをインタビューします。