首相、日朝首脳会談に意欲 北方領土「4島返還」強調

石破茂首相は11日の衆院予算委員会で、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けた金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談の実現について「トップ同士の会談は必要だ。それでないと動かないこともある」と答えた。実現には膨大な時間がかかると述べた。
9月の自民党総裁選で首相が提唱した東京と平壌への連絡事務所の設置については明確な言及を避けた。拉致被害者の家族会から「反対のご意見があることはよく承知している」と述べるにとどめた。日本維新の会の阿部司氏の質問に答えた。
ロシアとの北方領土問題に関し、首相は「4島帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの方針には何ら変わりはない」と強調した。
4島のうち歯舞群島、色丹島について返還協議を行いあわせて国後、択捉両島の帰属交渉を行う2島先行返還による決着案が話題にのぼった。首相は「そういう立場を政府として確定したことは一度もない」と言明した。立憲民主党の岡田克也氏への答弁。
岡田氏は安倍政権時代の2018年にシンガポールでの日ロ首脳会談で日本政府が事実上2島先行返還へかじを切ったと主張した。
首相は25年1月にトランプ新政権が発足する米国との関係にも触れた。アジア太平洋地域における自由と平和の維持や経済発展へ「どちらがどういう役割分担をするか、相乗的に高め合うことになる」と述べた。

自民党の石破茂総裁が衆参両院の本会議での首相指名選挙で第102代首相に選出されました。石破政権に関する最新のニュースをまとめています。