春秋(11月22日)
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江戸幕府の最後の将軍、徳川慶喜は明治の新時代を悠然と過ごし、大正2年まで生き抜いた。油絵を学んだり写真に凝ったり、自転車に乗ってみたり武芸にいそしんだり、趣味に没頭した後半生だった。そんな自由人を、世間は親しみをこめて「ケイキ」さんと呼んだ。
▼自らそう称したこともあるというから、音読みが気に入っていたに違いない。ちなみに幕府滅亡が迫るころ、海軍副総裁に任じられた榎本武揚も、しばしば「ブヨウ」と...
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