ポップに楽しむ宮沢賢治 「春と修羅」100年の底光り
NIKKEI The STYLE 「文化時評」
無名で死んだ宮沢賢治(1896〜1933年)が生前に出した本は2冊だけ。その「春と修羅」(詩集)と「注文の多い料理店」(童話集)は、今年で出版から100年になる。
当時は全く売れなかった。賢治の死後、才能に気付いていた同時代の詩人、草野心平が追悼誌を作ったのがきっかけで文壇詩壇に知られ始めた。戦後、おびただしい数の研究書や評論が書かれ、夏目漱石や太宰治と並ぶ国民文学になる。宗教学者の島薗進さんに...
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