関電、2段階で計画停電予告 「前夜」と実施「2時間前」

関西電力は22日、大規模停電を防ぐための計画停電の実施概要を発表した。管内を6グループ計48区域に分けて、電力需給が逼迫した場合、あらかじめ決めたスケジュールに沿って対象となった区域を2時間程度の停電とする。予告は計画停電の前日と当日の2段階で行い、混乱を最小限にとどめる。
大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が決まり、電力の需給は大幅に改善する。22日に記者会見した関電の生駒昌夫副社長は「計画停電を決して実施することがないよう総力を挙げて取り組む」と述べ、火力発電所のトラブルなど不測の事態に備えた安全網であることを強調した。
計画停電を検討するのは7月2日~9月7日の午前8時半~午後9時。管内を「1」から「6」の6グループに分け、さらにグループ内を「A」から「H」の8つのサブグループに細分化する。「午前8時半~午前11時」「午前10時半~午後1時」といった6つの時間帯に各グループを割り振り、電力不足の度合いで実際に停電するサブグループの数を調整する仕組み。

計画停電の実施予告は2段階とする。まずは100%超の電力使用率(供給力に対する最大需要の割合)が見込まれる日の前日、午後6時前後に「明日、計画停電をお願いする可能性がある」とホームページやメールで告知する。
当日、他の電力会社からの電力融通などでも需給逼迫が解消できず、なおかつ中部と西日本の6電力会社全体の電力使用率が99%を超える見通しとなった場合、2時間前に「計画停電を実施する」という確定情報を公表する。
深刻な供給力不足に陥ると1日2回の停電を強いる可能性もあるが、関電は停電させるグループの優先順位を調整することで、その事態を極力避ける。
関連企業・業界