55型の有機ELテレビ、韓国LGが12年に発売
韓国の液晶パネル大手、LGディスプレーの権暎壽(クォン・ヨンス)社長は次世代テレビの基幹部品として有望視している有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルについて「来年下半期にまず55型を投入する」と表明した。これを使いLG電子がテレビを製造する。リビング用の大画面製品に有機ELパネルを搭載し、市販するのは世界で初めてとなる。
権氏が報道各社に明らかにした。同氏は富裕層が好む大型の55型を発売し「市場の反応を見極める」と指摘した。台数は月間数万台にとどめる。市場動向を把握したうえで普及型の30、40型台を投入するとみられる。権氏は製品群を増やし本格量産するのは2014年との見通しも示した。
有機ELは消費電力が低く、高精細で将来は液晶に代わる部品として期待されているが、LG電子が販売する15型など市販テレビは小型にとどまっていた。大画面タイプの投入により市場が急速に広がる可能性が高まる。薄型テレビ最大手のサムスン電子も参入に向け技術開発を急いでいる。
LGディスプレーはソウル近郊の坡州に「第4.5世代」と呼ぶガラス基板を使う有機ELパネルラインを持ち、携帯機器向けに出荷している。テレビ向けに供給する日程を固めたことで今後、効率よく生産できる大型基板を使う新ラインの投資時期を模索する。(ソウル=尾島島雄)