江副浩正氏が死去 リクルート創業者・未公開株事件
リクルート事件で贈賄罪などの有罪が確定した同社創業者の江副浩正氏が8日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。76歳だった。
東大卒業後の1960年3月、リクルート社の前身となる「大学新聞広告社」を創業し、就職情報を中心とした巨大企業グループに成長させた。
86年、同社の関連会社リクルートコスモスの未公開株を政官業の要人約70人に譲渡。コスモス株は好調な業績と右肩上がりの景気に支えられ、店頭公開前から値上がり確実とされた。その手法が「ぬれ手で粟(あわ)」との強い非難を浴び、88年7月、リ社会長を辞任。
東京地検特捜部は藤波孝生元官房長官のほか、当時のNTT会長や労働次官、文部次官ら政治家や官僚ら12人を贈収賄罪で立件。13年を超える異例の長期審理の末、2003年3月、東京地裁が江副氏に懲役3年執行猶予5年を言い渡し、全員の有罪が確定した。
会長退任後の92年、リ社株をダイエーに売却。オペラ歌手の育成を支援した。