中国「中所得国の罠」陥らず スティーブン・ローチ氏
米エール大学シニアフェロー
[会員限定記事]
奇跡はもう終わった。2012年以降、中国の経済成長率は年7%台に鈍化し、李克強(リー・クォーチャン)首相は19年の成長率の目標を6~6.5%に設定した。
中国懐疑論者は「ついに来た」と思うだろう。これは「中所得国の罠(わな)」に近づいた前兆のように見える。高度成長していた途上国が先進国の仲間入り目前で低い成長率に戻ってしまう現象だ。
初期の研究では国民1人当たり国内総生産(GDP)が1万6000...