近畿の高速道路、実質値上げへ 国交省方針
国土交通省の審議会が13日決めた来年4月の近畿の高速道路の料金改定に向けた基本方針で、西日本高速道路の均一料金区間を廃止し、距離に応じた料金体系を基本にした「距離料金制」に移行することが示された。阪神高速道路は実質的に値上げして2つの大型新規路線建設の財源に充てる。一連の改定で利用者負担は増えそうだ。
西日本高速道路は近畿自動車道や阪和自動車道の一部などが均一料金を採用している。近畿道は最長約28キロ走行しても現在は均一料金の510円だが、現行の距離料金を単純に当てはめると1000円を超える。
一方、運営については西日本高速道路会社、阪神高速道路会社などに分かれ、それぞれ初乗り料金を徴収しているが、複数の有料道路を通行しても1回のみの徴収にする。接続部にある料金所撤去も進め、つなぎ目のない「シームレスハイウエー」を目指す。
道路公社区間は高速道路会社による一元管理を検討。実質値上げへの反発が予想される大阪府議会への見返りに、府道路公社の4路線を高速道路会社が引き取る可能性がある。阪神高速道路は「整備に必要な財源確保のため、利用者に追加的な一定の料金負担を求める」と位置づけられた。
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