月面基地、火星居住向け始動 JAXAが研究拠点設置へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、将来の月面基地建設や人類の火星居住をにらみ、革新的な宇宙探査技術の開発に取り組むと発表した。月や火星を模した大型施設を造り、産官学が連携して月面探査ロボットなどを開発する。宇宙空間に人が滞在するために不可欠な技術の開発も進める。
科学技術振興機構(JST)が同日、JAXAへの支援を決定。技術開発や研究者の採用などに必要な資金として年間4億円を5年間、拠出する。
JAXAは来年度中に、月面などの天体を模した屋内実験場を相模原キャンパス(神奈川県)に完成させる。現在、無人探査機で月面に着陸する計画を進めており、将来の月面基地建設や火星での居住実現などにつなげたい考えだ。
また燃料電池や自動運転、無人施工などの技術を持つ大学や企業の研究者らを10~20人採用し、オールジャパンで新たな宇宙探査技術開発に乗り出す。有害物質を光触媒などを使って取り除いたり、人工光合成で酸素を製造したりする技術も開発する予定だ。