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2022年08月15日
蔵書点検
那覇看護専門学校では学生を中心に色々な委員会があり、それぞれに目的意識を持って主体的に活動しています。
夏休みを利用して、図書委員さんが蔵書点検を行いました
本校の図書室は、約2万冊もの図書を保有しています。
蔵書点検は1年に1度、図書が全てあるかどうかチェックすることを目的としています
一冊一冊手に取り、バーコードを通す。。。
果てしない作業に加え、書棚の拭き掃除も一緒にやってくれましたよ
みんなが気持ちよく図書室を利用できるように頑張ってくれました
頑張った図書委員さん達には、特別にご褒美のおいしいスイーツ
パクリっ
※普段は図書室内飲食禁止です!!
図書委員のみなさま、本当にお疲れさまです
ありがとうございました!
夏休みを利用して、図書委員さんが蔵書点検を行いました
本校の図書室は、約2万冊もの図書を保有しています。
蔵書点検は1年に1度、図書が全てあるかどうかチェックすることを目的としています
一冊一冊手に取り、バーコードを通す。。。
果てしない作業に加え、書棚の拭き掃除も一緒にやってくれましたよ
みんなが気持ちよく図書室を利用できるように頑張ってくれました
頑張った図書委員さん達には、特別にご褒美のおいしいスイーツ
パクリっ
※普段は図書室内飲食禁止です!!
図書委員のみなさま、本当にお疲れさまです
ありがとうございました!
2019年01月11日
図書室1月
1月の掲示板とカウンター
図書司書からおすすめの本を紹介します!
「大事なことほど 小声でささやく」
著 森沢 明夫
出版社 幻冬舎文庫
身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。いつもは明るいゴンママだが、一人になれば、孤独感にさいなまれ、過呼吸に陥る時もあるがゴンママを救ったのは、過去に人を励ました自分の言葉だった。そんなゴンママを中心に物語は展開されていく。スナックの名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。
舞台はゴンママのスナック。バーテンダーのカオリちゃんがそれぞれの苦悩にリンクするカクテルを作るのである。たとえば、ソルティドッグ。ゴンママ曰く、「悲しいときはしゃべらなくていいのよ。泣けばいいの。ソルティドッグを飲んで、おいおいでも、しくしくでも、泣けばいいのよ。」これは歯科医の四海良一へ贈られたメッセージ。彼はジムでは明るくふるまっていたが、三年前に五歳の娘を病気で亡くし、まだ、娘の死を受け止めきれないところがある。辛さを打ち消すかのように四海はよく喋る。
その、四海に慰めと一緒にソルティドッグを勧めた。カクテル言葉は“寡黙”。悲しいときは喋らなくていいんだよ。泣きたいときは我慢せず、泣けばいいというメッセージである。
ジムで体を鍛えている5人がそれぞれ抱える悲しみと苦しみをしっかりと掬い上げ、花言葉のような“カクテル言葉”でゴンママは生き方のヒントを与えるのである。それは人生肯定が力強く響き、読者にとっても心に沁みるものがあるのではないだろうか。これがこの作品の醍醐味なのだろう。実に味わい深い内容である。素直に良い本だ。
又、カクテル言葉のみならず、ごく自然に口から出る言葉がとてもいいのだ。『人生に大切なのはね、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことにたいして自分が何をするか、なのよ』『起こったことなんて、そのまま受け入れればいいの。どうせ過去は変えようがないんだから。でもね、考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできるの。ピンチはチャンスよ。』
如何でしょう。あなたもマッチョなオカマ、ゴンママの経営する、「スナックひばり」で癒されてみませんか。
1月吉日 図書室より
図書司書からおすすめの本を紹介します!
「大事なことほど 小声でささやく」
著 森沢 明夫
出版社 幻冬舎文庫
身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。いつもは明るいゴンママだが、一人になれば、孤独感にさいなまれ、過呼吸に陥る時もあるがゴンママを救ったのは、過去に人を励ました自分の言葉だった。そんなゴンママを中心に物語は展開されていく。スナックの名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。
舞台はゴンママのスナック。バーテンダーのカオリちゃんがそれぞれの苦悩にリンクするカクテルを作るのである。たとえば、ソルティドッグ。ゴンママ曰く、「悲しいときはしゃべらなくていいのよ。泣けばいいの。ソルティドッグを飲んで、おいおいでも、しくしくでも、泣けばいいのよ。」これは歯科医の四海良一へ贈られたメッセージ。彼はジムでは明るくふるまっていたが、三年前に五歳の娘を病気で亡くし、まだ、娘の死を受け止めきれないところがある。辛さを打ち消すかのように四海はよく喋る。
その、四海に慰めと一緒にソルティドッグを勧めた。カクテル言葉は“寡黙”。悲しいときは喋らなくていいんだよ。泣きたいときは我慢せず、泣けばいいというメッセージである。
ジムで体を鍛えている5人がそれぞれ抱える悲しみと苦しみをしっかりと掬い上げ、花言葉のような“カクテル言葉”でゴンママは生き方のヒントを与えるのである。それは人生肯定が力強く響き、読者にとっても心に沁みるものがあるのではないだろうか。これがこの作品の醍醐味なのだろう。実に味わい深い内容である。素直に良い本だ。
又、カクテル言葉のみならず、ごく自然に口から出る言葉がとてもいいのだ。『人生に大切なのはね、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことにたいして自分が何をするか、なのよ』『起こったことなんて、そのまま受け入れればいいの。どうせ過去は変えようがないんだから。でもね、考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできるの。ピンチはチャンスよ。』
如何でしょう。あなたもマッチョなオカマ、ゴンママの経営する、「スナックひばり」で癒されてみませんか。
1月吉日 図書室より
2019年01月07日
謹賀新年
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
平素は当校の運営に深いご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。
当校では、早速1年生の基礎看護学臨地実習がスタートいたします。
また、3年生の看護師国家試験まであと41日、対策などに追われ慌ただしくなってきました。
体調管理に十分留意して、頑張っていきましょう!
2019年が皆さまにとって、素晴らしい年になりますように!
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます 。
2018年12月21日
12月図書室
12月の掲示板とカウンター。
図書司書からおすすめ本を紹介します
「この嘘がばれないうちに」
著 川口 俊和
出版社 サンマーク出版
過去にいられるのは、コーヒーが冷めるまでの間だけ。この本は「コーヒーが冷めないうちに」の7年後を描いた物語。
過去に戻るためのめんどくさいルールは『過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない』『過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない』『過去に戻れる席には先客がいる。その席に座れるのは(ワンピースの女(幽霊)が座っている席)先客が席を立った時だけ』『過去に戻っても座っている席からは移動できない』『過去に戻れるのはコーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ』冷めきってしまう前に飲みほさないと、現代に戻れず、幽霊となって、過去に戻れるこのイスに座りつづける事になる。
これだけのルールを承知の上、4人の男性が何らかの事情があって、過去に戻ることになる。4話共、逢いに行く人は各々、別々であるのだが、不思議と全ての話が繋がっていて興味深い。どの人も愛する人を想う気持ちが生み出した不器用でやさしい『嘘』の物語である。
過去に戻っても、現実は変わらないとわかりつつ、愛する人の為、これだけのルールを聞かされて、それでも過去に戻りたいと思えるのだろうか?どんな思いを胸に秘め、過去に戻るのか・・・。過去に戻ることで、人は何を想い何を伝えようとするのか・・・。
最初に発刊された「コーヒーが冷めないうちに」では分からなかった、白いワンピースの女の正体や、コーヒーをそそぐ女性『数』との関連性も解明され、成程、こういう訳があったのか、と思わず頷いてしまう。
やさしさとは、愛するとは・・・を考えさせられ、人の温かさが恋しくなり、『今』を大切に生きていこうと思える物語である。
さて、あなたがあの日に戻れたら、誰に会いに行きますか?
“季節は巡る。人生にも、厳しい冬はある。しかし、冬は必ず春となる。ここにも一つ、春がきた。” 本文より
12月吉日 図書室より
図書司書からおすすめ本を紹介します
「この嘘がばれないうちに」
著 川口 俊和
出版社 サンマーク出版
過去にいられるのは、コーヒーが冷めるまでの間だけ。この本は「コーヒーが冷めないうちに」の7年後を描いた物語。
過去に戻るためのめんどくさいルールは『過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない』『過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない』『過去に戻れる席には先客がいる。その席に座れるのは(ワンピースの女(幽霊)が座っている席)先客が席を立った時だけ』『過去に戻っても座っている席からは移動できない』『過去に戻れるのはコーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ』冷めきってしまう前に飲みほさないと、現代に戻れず、幽霊となって、過去に戻れるこのイスに座りつづける事になる。
これだけのルールを承知の上、4人の男性が何らかの事情があって、過去に戻ることになる。4話共、逢いに行く人は各々、別々であるのだが、不思議と全ての話が繋がっていて興味深い。どの人も愛する人を想う気持ちが生み出した不器用でやさしい『嘘』の物語である。
過去に戻っても、現実は変わらないとわかりつつ、愛する人の為、これだけのルールを聞かされて、それでも過去に戻りたいと思えるのだろうか?どんな思いを胸に秘め、過去に戻るのか・・・。過去に戻ることで、人は何を想い何を伝えようとするのか・・・。
最初に発刊された「コーヒーが冷めないうちに」では分からなかった、白いワンピースの女の正体や、コーヒーをそそぐ女性『数』との関連性も解明され、成程、こういう訳があったのか、と思わず頷いてしまう。
やさしさとは、愛するとは・・・を考えさせられ、人の温かさが恋しくなり、『今』を大切に生きていこうと思える物語である。
さて、あなたがあの日に戻れたら、誰に会いに行きますか?
“季節は巡る。人生にも、厳しい冬はある。しかし、冬は必ず春となる。ここにも一つ、春がきた。” 本文より
12月吉日 図書室より
2018年11月30日
11月図書室
11月の掲示板とカウンター
春夏秋冬
冬耐えて 春夢持って
夏燃えて 秋自分をみつめて
人生感謝 感動で生きてゆく
図書司書からのおススメ本
交響曲「第九」歓びよ未来へ!
著者 くすのき しげのり 出版社 PHP
今年の読書週間の標語は「ホッと一息 本と一息」です。日々、せわしく動いているあなた、いかがでしょう、このあたりで本と一息ついてみませんか?
久しぶりに絵本作家である、くすのき しげのり先生の講演会に参加する機会があり、その中の1冊を紹介します。この絵本は大人の方にも読んで欲しい1冊です。
くすのき先生は、徳島県鳴門市大麻町坂東で生まれ育ち、そして今も、坂東で暮らしています。今から100年ほど前にあったドイツ兵俘虜(ふりょ)(捕虜のこと)収容所のなかで起こった、真実の、奇跡的な出来事を、以前から温めていた原稿に加筆修正し、本作品を完成させたそうです。
坂東小学校へ転校してきた愛子が、不思議に思ったこと。「どうして鳴門市では、6月に『第九』を歌うのか?」それにはこんな訳があった。第一次大戦の時、日本と戦って敗れたドイツの兵士たちが俘虜として、徳島県にある『坂東俘虜収容所』に送られてきた。厳しい規則、不自由な生活、苦しい作業があるに違いないと思っていたであろうが、松江豊寿所長は「彼らドイツ人たちも、国のために戦ったのだから」と、収容所の中においてもドイツ人俘虜が自分たちで工夫をし、自分たちの手で暮らしを良くすることが出来るように計らった。そういった中、彼らをいきいきとさせたものの中に音楽があった。音楽が好きな者たちは、持ってきた楽器や寄付された楽器を持ち寄り、演奏会を開いた。
そして、1918年6月1日、ここ坂東収容所でベートーベン作曲の交響曲第九番が演奏された。コンサートとして全楽章演奏されたのはこれが、日本で、そしてアジアで初めてのことであった。それは、俘虜である彼らがせいいっぱい人間らしく生きている事の証であった。更に坂東で見出した歓びとともに、平和を願い、未来へ向けて歌う希望の歌であった。
捕虜収容所でかの有名なベートーベン作曲の交響曲第九番が演奏されるなんて、奇跡としかいいようがありません。戦争が終わったとはいえ、収容所の中でのことです。この企画を許可した松江所長にも感服です。80名の俘虜たちが楽器を演奏し、合唱するのですから、それはそれは迫力があったことでしょう。
俘虜であるという重く暗い気持ちや、言い知れぬ不安を抱えながらも、だからこそ『第九』を演奏し歌った彼らの喜びや願い。そして・・・、『第九』を演奏し、歌うことが出来た坂東俘虜収容所の奇跡のような事実。『第九』アジア100周年に当たり、こうしたことについて知り、考えることは、未来へ向かって今を生きる私たちにとって、大切な意味を持つのではないでしょうか。『いい作品を読むということは心の窓を開くこと』とおっしゃっていた先生の言葉が印象的でした。あなたもこの絵本を通して「ホッと一息、本と一息」してみませんか。
春夏秋冬
冬耐えて 春夢持って
夏燃えて 秋自分をみつめて
人生感謝 感動で生きてゆく
図書司書からのおススメ本
交響曲「第九」歓びよ未来へ!
著者 くすのき しげのり 出版社 PHP
今年の読書週間の標語は「ホッと一息 本と一息」です。日々、せわしく動いているあなた、いかがでしょう、このあたりで本と一息ついてみませんか?
久しぶりに絵本作家である、くすのき しげのり先生の講演会に参加する機会があり、その中の1冊を紹介します。この絵本は大人の方にも読んで欲しい1冊です。
くすのき先生は、徳島県鳴門市大麻町坂東で生まれ育ち、そして今も、坂東で暮らしています。今から100年ほど前にあったドイツ兵俘虜(ふりょ)(捕虜のこと)収容所のなかで起こった、真実の、奇跡的な出来事を、以前から温めていた原稿に加筆修正し、本作品を完成させたそうです。
坂東小学校へ転校してきた愛子が、不思議に思ったこと。「どうして鳴門市では、6月に『第九』を歌うのか?」それにはこんな訳があった。第一次大戦の時、日本と戦って敗れたドイツの兵士たちが俘虜として、徳島県にある『坂東俘虜収容所』に送られてきた。厳しい規則、不自由な生活、苦しい作業があるに違いないと思っていたであろうが、松江豊寿所長は「彼らドイツ人たちも、国のために戦ったのだから」と、収容所の中においてもドイツ人俘虜が自分たちで工夫をし、自分たちの手で暮らしを良くすることが出来るように計らった。そういった中、彼らをいきいきとさせたものの中に音楽があった。音楽が好きな者たちは、持ってきた楽器や寄付された楽器を持ち寄り、演奏会を開いた。
そして、1918年6月1日、ここ坂東収容所でベートーベン作曲の交響曲第九番が演奏された。コンサートとして全楽章演奏されたのはこれが、日本で、そしてアジアで初めてのことであった。それは、俘虜である彼らがせいいっぱい人間らしく生きている事の証であった。更に坂東で見出した歓びとともに、平和を願い、未来へ向けて歌う希望の歌であった。
捕虜収容所でかの有名なベートーベン作曲の交響曲第九番が演奏されるなんて、奇跡としかいいようがありません。戦争が終わったとはいえ、収容所の中でのことです。この企画を許可した松江所長にも感服です。80名の俘虜たちが楽器を演奏し、合唱するのですから、それはそれは迫力があったことでしょう。
俘虜であるという重く暗い気持ちや、言い知れぬ不安を抱えながらも、だからこそ『第九』を演奏し歌った彼らの喜びや願い。そして・・・、『第九』を演奏し、歌うことが出来た坂東俘虜収容所の奇跡のような事実。『第九』アジア100周年に当たり、こうしたことについて知り、考えることは、未来へ向かって今を生きる私たちにとって、大切な意味を持つのではないでしょうか。『いい作品を読むということは心の窓を開くこと』とおっしゃっていた先生の言葉が印象的でした。あなたもこの絵本を通して「ホッと一息、本と一息」してみませんか。
11月吉日 図書室より
2018年10月22日
10月図書室
10月の図書室前掲示板とカウンターはハロウィンです
癒し系の図書室の先生とかわいい空間が学生を和ませています。
学生への応援メッセージも毎回力をもらっています
もう駄目だ
もうダメだ
そこから人生が始まるのです
そこから本当の自分を出してゆくのです
そこから人間這いあがってゆくのです
‘もうだめだ’そこからもっと
すごい強い自分を作ってゆくのです
図書司書からのおススメ本
「夜空に浮かぶ心に響く100の言葉」
著者 宮永 千恵
出版社 宝島社
古代日本では、昼は人間の活動の時間、夜は神の時間と信じられていました。古代ギリシャでは星を見ながら神話が語られ、東洋でも西洋でも月は女神や女性の象徴とされ、多くの物語を残しています。 本文より
台風の為、余儀なく停電の日々を味わうことに・・・。台風が去った後も、地域全域で電気がつかない。そこで、ふと夜空の星はさぞかし綺麗だろう、と思い、眺めると、想像以上に綺麗な月と星を仰ぎ見る機会に恵まれた。そういった矢先、ある書店に立ち寄ると、神秘的な写真の1冊が私の目の前に・・・。思わず手に取り、中の写真を見ると、夜空の様々な顔が映し出され、更に心に沁みる名言が書かれている。帯には“寝る前に読みたい一冊”とある。きっと、この本を寝る前に読むと、今日一日の疲れが癒され、深い眠りにおちていき、翌朝の目覚めがいいのであろう。そう、思わせる一冊である。
その中の幾つかを紹介することにする。
誠実さは、言葉を持たない。それは言葉にならないものである。誠実さは、その人の瞳と、ものごしの中に読み取ることができる。
― ムスタファ・ケマル・アタテュリュク(トルコ共和国初代大統領)―
世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、目で見たり手で触れたりすることはできません。それは、心で感じなければならないのです。
― ヘレン・ケラー(教育家)―
やったことは、例え失敗しても、20年後には、笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には、後悔するだけだ。
― マーク・トウェイン(作家)―
流れるように日々が過ぎて行くとき、生きるのはたやすい。大切なのは、八方、ふさがりのときでも微笑むことができる人になること。
―エラ・ウイーラー・ウイルコックス(作家)-
如何でしょうか?4点ほど紹介しましたが残りの96点の中にあなたが求めていた言葉が見つかるかもしれません。晴れた日に夜空をゆったりと眺めてみるのもいいものですよ。この本があなたの心に寄り添う一冊になりますように。
10月吉日 図書室より
癒し系の図書室の先生とかわいい空間が学生を和ませています。
学生への応援メッセージも毎回力をもらっています
もう駄目だ
もうダメだ
そこから人生が始まるのです
そこから本当の自分を出してゆくのです
そこから人間這いあがってゆくのです
‘もうだめだ’そこからもっと
すごい強い自分を作ってゆくのです
図書司書からのおススメ本
「夜空に浮かぶ心に響く100の言葉」
著者 宮永 千恵
出版社 宝島社
古代日本では、昼は人間の活動の時間、夜は神の時間と信じられていました。古代ギリシャでは星を見ながら神話が語られ、東洋でも西洋でも月は女神や女性の象徴とされ、多くの物語を残しています。 本文より
台風の為、余儀なく停電の日々を味わうことに・・・。台風が去った後も、地域全域で電気がつかない。そこで、ふと夜空の星はさぞかし綺麗だろう、と思い、眺めると、想像以上に綺麗な月と星を仰ぎ見る機会に恵まれた。そういった矢先、ある書店に立ち寄ると、神秘的な写真の1冊が私の目の前に・・・。思わず手に取り、中の写真を見ると、夜空の様々な顔が映し出され、更に心に沁みる名言が書かれている。帯には“寝る前に読みたい一冊”とある。きっと、この本を寝る前に読むと、今日一日の疲れが癒され、深い眠りにおちていき、翌朝の目覚めがいいのであろう。そう、思わせる一冊である。
その中の幾つかを紹介することにする。
誠実さは、言葉を持たない。それは言葉にならないものである。誠実さは、その人の瞳と、ものごしの中に読み取ることができる。
― ムスタファ・ケマル・アタテュリュク(トルコ共和国初代大統領)―
世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、目で見たり手で触れたりすることはできません。それは、心で感じなければならないのです。
― ヘレン・ケラー(教育家)―
やったことは、例え失敗しても、20年後には、笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には、後悔するだけだ。
― マーク・トウェイン(作家)―
流れるように日々が過ぎて行くとき、生きるのはたやすい。大切なのは、八方、ふさがりのときでも微笑むことができる人になること。
―エラ・ウイーラー・ウイルコックス(作家)-
如何でしょうか?4点ほど紹介しましたが残りの96点の中にあなたが求めていた言葉が見つかるかもしれません。晴れた日に夜空をゆったりと眺めてみるのもいいものですよ。この本があなたの心に寄り添う一冊になりますように。
10月吉日 図書室より
2018年09月14日
9月 図書室
9月の図書室の入口掲示板と窓口です
いつも癒されています
入口掲示板
カウンター
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「夏美のホタル」
たんぽぽは、いい花だよぅ。花が終わっても、たくさんの命を空にふわふわ飛ばせるなんて、なんだか素敵だからよぅ。地蔵さん(恵三さん)の言葉より
ある方の紹介で手に取った本は、心がホワッとする、懐かしくも温かい本である。一気に読みあげ、読後も幸せな気持ちに浸ったのは言うまでもない。出来れば、是非、映画化して欲しいものである。プロローグは仏師である雲月の語りから始まり、エピローグもやはり、雲月の語りで終わる。この雲月のキャラクターが物語の隠し味に使われているところが、著者の作家としての完成度の高さを示しているのではないだろうか。
写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見つける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは夏休みを過ごすことに・・・。
工事現場で事故に合い、左半身が想うように動かない地蔵さん。本名は恵三さん。「たけ屋」の前に毎朝、立って、バスで通学する子供たちを笑顔で見送っているじいさんの姿が、まるでお地蔵さんみたいだというところから、そんな呼び名になったのだそうだ。
慎吾と夏美はヤスばあちゃんからはおいしいごはんとほっこりした笑顔。地蔵さんからは川原での楽しみや、人としての生き方を見ることが出来た。更に『神は細部に宿る。だから、爪の先ほどでも妥協はするなー』という成長段階にある慎吾へ伝授し、強面(こわおもて)で尊大で「生きた仏像」を作る雲月。彼らと出会い、慌ただしい日常の中で見落としてしまいそうな大切なもの、忘れかけていた近しい人への感謝、そして、小さな奇跡や喜びを、夏のひとときの間に十分に知ることが出来た。
果たして我々は、自分を取り巻く身近な人たちへどれだけ感謝しながら生きているのだろうか。そして、小さな喜びを日々、感じることができているだろうか・・・? 読後、深く考えさせられた。
この本に出会うことによって、人のやさしさ・温かさ・何気ないことの大切さを改めて認識させられた。更に人の生き方を地蔵さん(恵三さん)・ヤスばあちゃん・雲月・慎吾・夏美を通して学ばせて貰った。そして、一つ一つのかけらを丁寧にすくいあげた内容を書き連ねてくれた作者に感謝したい!
題名である「夏美のホタル」の夏美はそれぞれの登場人物のキーパソン的な役割を果たしている。さて、夏美の存在が物語にどう影響してくるのか・・・。
もうすぐ秋分。あなたも山里に住む「たけ屋」のヤスばあちゃんや地蔵さん親子に会いに行きませんか・・・。
いつも癒されています
入口掲示板
カウンター
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「夏美のホタル」
著 者 森沢明夫
出版社 角川文庫
出版社 角川文庫
たんぽぽは、いい花だよぅ。花が終わっても、たくさんの命を空にふわふわ飛ばせるなんて、なんだか素敵だからよぅ。地蔵さん(恵三さん)の言葉より
ある方の紹介で手に取った本は、心がホワッとする、懐かしくも温かい本である。一気に読みあげ、読後も幸せな気持ちに浸ったのは言うまでもない。出来れば、是非、映画化して欲しいものである。プロローグは仏師である雲月の語りから始まり、エピローグもやはり、雲月の語りで終わる。この雲月のキャラクターが物語の隠し味に使われているところが、著者の作家としての完成度の高さを示しているのではないだろうか。
写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見つける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは夏休みを過ごすことに・・・。
工事現場で事故に合い、左半身が想うように動かない地蔵さん。本名は恵三さん。「たけ屋」の前に毎朝、立って、バスで通学する子供たちを笑顔で見送っているじいさんの姿が、まるでお地蔵さんみたいだというところから、そんな呼び名になったのだそうだ。
慎吾と夏美はヤスばあちゃんからはおいしいごはんとほっこりした笑顔。地蔵さんからは川原での楽しみや、人としての生き方を見ることが出来た。更に『神は細部に宿る。だから、爪の先ほどでも妥協はするなー』という成長段階にある慎吾へ伝授し、強面(こわおもて)で尊大で「生きた仏像」を作る雲月。彼らと出会い、慌ただしい日常の中で見落としてしまいそうな大切なもの、忘れかけていた近しい人への感謝、そして、小さな奇跡や喜びを、夏のひとときの間に十分に知ることが出来た。
果たして我々は、自分を取り巻く身近な人たちへどれだけ感謝しながら生きているのだろうか。そして、小さな喜びを日々、感じることができているだろうか・・・? 読後、深く考えさせられた。
この本に出会うことによって、人のやさしさ・温かさ・何気ないことの大切さを改めて認識させられた。更に人の生き方を地蔵さん(恵三さん)・ヤスばあちゃん・雲月・慎吾・夏美を通して学ばせて貰った。そして、一つ一つのかけらを丁寧にすくいあげた内容を書き連ねてくれた作者に感謝したい!
題名である「夏美のホタル」の夏美はそれぞれの登場人物のキーパソン的な役割を果たしている。さて、夏美の存在が物語にどう影響してくるのか・・・。
もうすぐ秋分。あなたも山里に住む「たけ屋」のヤスばあちゃんや地蔵さん親子に会いに行きませんか・・・。
9月吉日 図書室より
2018年08月09日
8月 図書室
ハイサイ!夏休みを楽しく過ごされている事でしょう。さて、図書室は夏休み中も開室しています。
下記のカレンダーで開室日・閉室日を記載しました。せっかく、やる気に満ちて図書室に出向いたのに閉まっていたのでは困りますね。
是非、開室日を確認して来てくださいね。クーラーのきいた涼しい空間で、学習や読書にご利用下さい。では、有意義な夏休みを!
下記のカレンダーで開室日・閉室日を記載しました。せっかく、やる気に満ちて図書室に出向いたのに閉まっていたのでは困りますね。
是非、開室日を確認して来てくださいね。クーラーのきいた涼しい空間で、学習や読書にご利用下さい。では、有意義な夏休みを!
2018年07月31日
7月 図書室
7月の掲示板とカウンター
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
人生の中で人に出逢って強くなる人もいます
夢に出逢って強くなる人もいます。
わたしは弱い自分に出逢って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作ってきました
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「蜜蜂と遠雷」
著者 恩田 陸
出版社 幻冬舎
2017年直木賞・本屋大賞、史上初のダブル受賞。著者渾身、文句なしの最高傑作!!3年毎に開催される芳ケ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のSピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。数多の天才たちが繰り広げる競争(コンペティション)という名の自らとの闘い。第1次から第3次予選そして、本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか? 帯より
ピアノの譜面を、物語として語る手法のなんと巧みなことか。更に、登場人物がそれぞれの相手を客観的に見、解説していく展開はこの本の最大の魅力だ。解説者が幾人もいて、多方面からの捉え方の醍醐味を読者は味わうであろう。個性あふれる魅力的な登場人物、彼らが弾く曲の壮大なスケールにぐいぐいと引き込まれる。
コンクールの互いの緊迫した様子や、曲に対する情景描写が手に取るように目に浮かび、中でも演奏シーンはまるでコンクール会場内に居て、一緒に聴衆に混じってピアノの演奏を聴いているような錯覚を覚える。
1曲に対し、膨大な言葉の連射には迫力があり、きっと、言葉が空から降ってくるのであろう。と勝手に想像してしまう程、私の中では言葉の魔術師的な存在だ。作者は音楽家であり、ピアニストであり、作家なのだろうか?と、・・・。実際、著者の恩田さんは「構想12年、取材11年、執筆7年」をかけて書き上げたそうだ。
養蜂家の父と共に各地を転々とし、自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇し、CDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマン。妻子もおり、コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴイ・アナトール19歳。
誰が選ばれても不思議ではなく、最後の最後まで、審査員になったつもりで点数をつけている私がいて、ページをめくる手がとまらない。果たして、優勝は誰の手に?ラストに差し掛かった時、この本とさよならする時、手放したくないと思ったのは私だけだろうか?
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
人生の中で人に出逢って強くなる人もいます
夢に出逢って強くなる人もいます。
わたしは弱い自分に出逢って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作ってきました
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「蜜蜂と遠雷」
著者 恩田 陸
出版社 幻冬舎
2017年直木賞・本屋大賞、史上初のダブル受賞。著者渾身、文句なしの最高傑作!!3年毎に開催される芳ケ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のSピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。数多の天才たちが繰り広げる競争(コンペティション)という名の自らとの闘い。第1次から第3次予選そして、本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか? 帯より
ピアノの譜面を、物語として語る手法のなんと巧みなことか。更に、登場人物がそれぞれの相手を客観的に見、解説していく展開はこの本の最大の魅力だ。解説者が幾人もいて、多方面からの捉え方の醍醐味を読者は味わうであろう。個性あふれる魅力的な登場人物、彼らが弾く曲の壮大なスケールにぐいぐいと引き込まれる。
コンクールの互いの緊迫した様子や、曲に対する情景描写が手に取るように目に浮かび、中でも演奏シーンはまるでコンクール会場内に居て、一緒に聴衆に混じってピアノの演奏を聴いているような錯覚を覚える。
1曲に対し、膨大な言葉の連射には迫力があり、きっと、言葉が空から降ってくるのであろう。と勝手に想像してしまう程、私の中では言葉の魔術師的な存在だ。作者は音楽家であり、ピアニストであり、作家なのだろうか?と、・・・。実際、著者の恩田さんは「構想12年、取材11年、執筆7年」をかけて書き上げたそうだ。
養蜂家の父と共に各地を転々とし、自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇し、CDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマン。妻子もおり、コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴイ・アナトール19歳。
誰が選ばれても不思議ではなく、最後の最後まで、審査員になったつもりで点数をつけている私がいて、ページをめくる手がとまらない。果たして、優勝は誰の手に?ラストに差し掛かった時、この本とさよならする時、手放したくないと思ったのは私だけだろうか?
7月吉日 図書室より
2018年07月04日
6月 図書室
6月の掲示板とカウンター
春夏秋冬
冬耐えて 春夢持って
夏燃えて 秋自分をみつめて
人生感謝 感動で生きてゆく
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「かがみの孤城」
著者 辻村 深月
出版社 ポプラ社
2018年本屋大賞第一位に輝いた ポプラ社創業70周年記念作品 話題沸騰の著者最高傑作!!
あなたを、助けたい。どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探すー。 帯より
登場人物の一人一人に存在感があり、数字のキーワードの使い方のなんとうまいこと。尚且つ、ラストに明かされる真実にはもう唸る(うなる)しかない。これほどまでに巧妙な細工をしかけられるのか・・・。散りばめられていた破片が集められて、一枚の鏡になるように、解き明かされていく様はさすが本屋大賞受賞そのものだ。本文を読み終え、エピローグに差し掛かった折り、作者の書くものとしての才能が浮き彫りにされたように思えた。するどい感性に感服である。
こころ(雪科第五中学校の一年生)はクラスの子から、いじめに合い、学校に行くことが出来ない。そんないろいろな問題を抱えた7人の中学生。その彼らに関わる親やフリースクールの先生の心から子どもを救おうとする大人たちの存在。内容は切実であるにも関わらず、ファンタジー性を帯びたストーリーゆえだろうか、サクサクと読み進めてしまう。
最後の最後まで絡まった糸が解けないもどかしさのまま、答えを見つけたくて、一気に読み進めると、ある一瞬、細かな糸の端を手繰り寄せ、「成程、こういう事だったのか!」と、糸が解けた(ほどけた)時の爽快さはなんとも言えない。感無量である。
「もしもタイムマシンで十代の自分に一冊だけ自分の小説を渡せるなら、この作品を渡したい」と、作者自身も発信している。ファンタジーとミステリーをミックスした様な展開は幅広い層の読者に読んでもらいたい。
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オープンキャンパス2018
日時: 7月14日(土)10:00~15:00
(予約制ではありませんので、ご自由に参加ください。)
春夏秋冬
冬耐えて 春夢持って
夏燃えて 秋自分をみつめて
人生感謝 感動で生きてゆく
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「かがみの孤城」
著者 辻村 深月
出版社 ポプラ社
2018年本屋大賞第一位に輝いた ポプラ社創業70周年記念作品 話題沸騰の著者最高傑作!!
あなたを、助けたい。どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探すー。 帯より
登場人物の一人一人に存在感があり、数字のキーワードの使い方のなんとうまいこと。尚且つ、ラストに明かされる真実にはもう唸る(うなる)しかない。これほどまでに巧妙な細工をしかけられるのか・・・。散りばめられていた破片が集められて、一枚の鏡になるように、解き明かされていく様はさすが本屋大賞受賞そのものだ。本文を読み終え、エピローグに差し掛かった折り、作者の書くものとしての才能が浮き彫りにされたように思えた。するどい感性に感服である。
こころ(雪科第五中学校の一年生)はクラスの子から、いじめに合い、学校に行くことが出来ない。そんないろいろな問題を抱えた7人の中学生。その彼らに関わる親やフリースクールの先生の心から子どもを救おうとする大人たちの存在。内容は切実であるにも関わらず、ファンタジー性を帯びたストーリーゆえだろうか、サクサクと読み進めてしまう。
最後の最後まで絡まった糸が解けないもどかしさのまま、答えを見つけたくて、一気に読み進めると、ある一瞬、細かな糸の端を手繰り寄せ、「成程、こういう事だったのか!」と、糸が解けた(ほどけた)時の爽快さはなんとも言えない。感無量である。
「もしもタイムマシンで十代の自分に一冊だけ自分の小説を渡せるなら、この作品を渡したい」と、作者自身も発信している。ファンタジーとミステリーをミックスした様な展開は幅広い層の読者に読んでもらいたい。
6月吉日 図書室より
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オープンキャンパス2018
日時: 7月14日(土)10:00~15:00
(予約制ではありませんので、ご自由に参加ください。)
2018年05月14日
5月 図書室
5月の掲示板とカウンター
人生の中で人に出会って強くなる人もいます
夢に出会って強くなる人もいます
わたしは弱い自分に出会って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作っていきました
生涯心の支えになる言葉
夢、人に出逢ったときに
人間は大きく変わることができます
強い人間になってゆけます
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「崩れる脳を抱きしめて」
著者 知念 実希人
出版社 実業之日本社
第15回2018年本屋大賞ノミネート! 読者メーター「読みたい本ランキング」第1位!! 沖縄書店大賞受賞! 今世紀最高の恋愛ミステリー!!
おち葉を舞い上げながら、早春の風が吹き抜ける。腹の奥に炎が灯(とも)っているかのように、体は火照(ほて)っていた。ずっとこのときを待っていた。彼女が、弓狩環(ゆがりたまき)さんが命を落としたと聞いたあの日からずっと。弓狩環・・・ユカリさん・・・。硝子細工のように美しく、そして儚い微笑みが脳裏をかすめる。もうすぐだ。もうすぐ、僕の前から彼女を消した犯人に会える。
プロローグより
久しぶりに巧妙なしかけと共に物語が展開される本に出会った。トランプの神経衰弱のように、カードを捲る時、確かこのカードは上から3番目辺りにあったな。という風に記憶を頼りにゲームを展開していく様(さま)に似ているようだ。ヒントが随所に張り巡らされていて、このカードが終わりに近づくにつれて、回収されていき、謎を解く鍵が見つかる。何よりも、最後まで、一気に読まずにはいられない衝動にかられながら読み進めるという、からくりには脱帽である。
沖縄書店大賞を受賞した、沖縄出身作家!!知念実希人さん。本人も現役の医者であるので、本文中も専門用語がどんどん飛び交う点も乙なものだ。
弓狩環(ゆがりたまき)28歳・・・ユカリさん。グリオブラストーマという病に侵されている。最悪の脳腫瘍。頭に爆弾を抱えていて、いつ破裂して命を奪うかも分からない。そのユカリさんの主治医として、地域医療実習にきている碓氷蒼馬(うすいそうま)。外の世界に怯えるユカリと過去に苛まれる碓氷。心に傷を持つ二人は次第に心を通わせていくが・・・。
この物語の中で、生命に対して、深く優しい、温かな眼差しは作者が命を預かる医者であるからだろう。「死」というテーマに『生命』の輝きを浮き彫りにして、如何に『生命』が尊く、大切なものなのか、考えさせられた一冊である。
医者と小説家という2足のわらじを履いた作者だからこそ、この作品が生まれたのであろう。読者を裏切らない読み応えのある1冊だ。是非、多くの方に読んで貰いたい。
人生の中で人に出会って強くなる人もいます
夢に出会って強くなる人もいます
わたしは弱い自分に出会って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作っていきました
生涯心の支えになる言葉
夢、人に出逢ったときに
人間は大きく変わることができます
強い人間になってゆけます
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「崩れる脳を抱きしめて」
著者 知念 実希人
出版社 実業之日本社
第15回2018年本屋大賞ノミネート! 読者メーター「読みたい本ランキング」第1位!! 沖縄書店大賞受賞! 今世紀最高の恋愛ミステリー!!
おち葉を舞い上げながら、早春の風が吹き抜ける。腹の奥に炎が灯(とも)っているかのように、体は火照(ほて)っていた。ずっとこのときを待っていた。彼女が、弓狩環(ゆがりたまき)さんが命を落としたと聞いたあの日からずっと。弓狩環・・・ユカリさん・・・。硝子細工のように美しく、そして儚い微笑みが脳裏をかすめる。もうすぐだ。もうすぐ、僕の前から彼女を消した犯人に会える。
プロローグより
久しぶりに巧妙なしかけと共に物語が展開される本に出会った。トランプの神経衰弱のように、カードを捲る時、確かこのカードは上から3番目辺りにあったな。という風に記憶を頼りにゲームを展開していく様(さま)に似ているようだ。ヒントが随所に張り巡らされていて、このカードが終わりに近づくにつれて、回収されていき、謎を解く鍵が見つかる。何よりも、最後まで、一気に読まずにはいられない衝動にかられながら読み進めるという、からくりには脱帽である。
沖縄書店大賞を受賞した、沖縄出身作家!!知念実希人さん。本人も現役の医者であるので、本文中も専門用語がどんどん飛び交う点も乙なものだ。
弓狩環(ゆがりたまき)28歳・・・ユカリさん。グリオブラストーマという病に侵されている。最悪の脳腫瘍。頭に爆弾を抱えていて、いつ破裂して命を奪うかも分からない。そのユカリさんの主治医として、地域医療実習にきている碓氷蒼馬(うすいそうま)。外の世界に怯えるユカリと過去に苛まれる碓氷。心に傷を持つ二人は次第に心を通わせていくが・・・。
この物語の中で、生命に対して、深く優しい、温かな眼差しは作者が命を預かる医者であるからだろう。「死」というテーマに『生命』の輝きを浮き彫りにして、如何に『生命』が尊く、大切なものなのか、考えさせられた一冊である。
医者と小説家という2足のわらじを履いた作者だからこそ、この作品が生まれたのであろう。読者を裏切らない読み応えのある1冊だ。是非、多くの方に読んで貰いたい。
5月吉日図書室
2018年04月27日
4月 図書室
4月の掲示板とカウンター
出逢い
出逢いは素晴らしいそこから信頼・夢・友情
そして愛がはじまる、わたしは出逢いを
いつも大切にしていたいです。
心をこめて人に会う
優しさをこめて人に会う
愛をこめて人に会う
出逢いをいつも大切に
自分をいつも大切に
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「君たちはどう生きるか」
原作 吉野 源三郎
漫画 羽賀 翔一
出版社 マガジンハウス
コペル君!「ありがたい」という言葉によく気をつけてみたまえ。この言葉は「感謝すべきことだ」とか、「お礼をいうだけの値打ちがある」とかという意味で使われているね。しかし、この言葉のもとの意味は、「そうあることがむつかしい」という意味だ。「めったにあることじゃあない」という意味だ。自分の受けている幸せが、めったにあることじゃないと思えばこそ、われわれは、それに感謝する気持ちになる。 本文より
自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ。人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君と叔父さん。永遠の名作が、80年の時を経て、ついに漫画化!漫画で描かれているが、本文の抜粋(文章)もなかなかあり、まさに哲学書を読んでいるようである。この文が80年前に書かれたというのに、現在でも我々の心にストンと落ちる訳はこの本を読んでみないと知り得ないのではないだろうか。
コペル君というのは、主人公である潤一少年の叔父さんが付けたニックネームである。地動説を唱えたコペルニクスから取ったものである。「油揚げ事件」で友人を裏切ってしまったコペル君。「もう前のような仲間には戻れない」彼が悩みながら成長していく中で、相談者である叔父さんのノートの中の言葉の一つ一つが、なんと感慨深いことだろう。まるで言葉が宝石のように輝いているようだ。その中の一節を本文より紹介することにする。
もしも君が、学校でこう教えられ、世間でもそれが立派なこととして通っているからといって、ただそれだけで、いわれたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、―コペル君、いいか、―それじゃあ、君はいつまでたっても一人前の人間になれないんだ。肝心なことは、世間の目よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。いいことをいいことだとし、悪いことを悪いことだとし、一つ一つ判断していくゆくときにも、また、君がいいと判断したことをやってゆくときにも、いつでも、君の胸から湧き出てくるいきいきとした感情に貫かれていなくてはいけない。「誰がなんと言ったってー」というくらいな、心の張りがなければならないんだ。
さて、あなたなら『君たちはどう生きるか』という作者の質問になんて答えますか。
出逢い
出逢いは素晴らしいそこから信頼・夢・友情
そして愛がはじまる、わたしは出逢いを
いつも大切にしていたいです。
心をこめて人に会う
優しさをこめて人に会う
愛をこめて人に会う
出逢いをいつも大切に
自分をいつも大切に
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「君たちはどう生きるか」
原作 吉野 源三郎
漫画 羽賀 翔一
出版社 マガジンハウス
コペル君!「ありがたい」という言葉によく気をつけてみたまえ。この言葉は「感謝すべきことだ」とか、「お礼をいうだけの値打ちがある」とかという意味で使われているね。しかし、この言葉のもとの意味は、「そうあることがむつかしい」という意味だ。「めったにあることじゃあない」という意味だ。自分の受けている幸せが、めったにあることじゃないと思えばこそ、われわれは、それに感謝する気持ちになる。 本文より
自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ。人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君と叔父さん。永遠の名作が、80年の時を経て、ついに漫画化!漫画で描かれているが、本文の抜粋(文章)もなかなかあり、まさに哲学書を読んでいるようである。この文が80年前に書かれたというのに、現在でも我々の心にストンと落ちる訳はこの本を読んでみないと知り得ないのではないだろうか。
コペル君というのは、主人公である潤一少年の叔父さんが付けたニックネームである。地動説を唱えたコペルニクスから取ったものである。「油揚げ事件」で友人を裏切ってしまったコペル君。「もう前のような仲間には戻れない」彼が悩みながら成長していく中で、相談者である叔父さんのノートの中の言葉の一つ一つが、なんと感慨深いことだろう。まるで言葉が宝石のように輝いているようだ。その中の一節を本文より紹介することにする。
もしも君が、学校でこう教えられ、世間でもそれが立派なこととして通っているからといって、ただそれだけで、いわれたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、―コペル君、いいか、―それじゃあ、君はいつまでたっても一人前の人間になれないんだ。肝心なことは、世間の目よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。いいことをいいことだとし、悪いことを悪いことだとし、一つ一つ判断していくゆくときにも、また、君がいいと判断したことをやってゆくときにも、いつでも、君の胸から湧き出てくるいきいきとした感情に貫かれていなくてはいけない。「誰がなんと言ったってー」というくらいな、心の張りがなければならないんだ。
さて、あなたなら『君たちはどう生きるか』という作者の質問になんて答えますか。
4月吉日 図書室より
2018年03月19日
3月 図書室
3月の掲示板とカウンター
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」
著 日野原 重明
出版社 PHP文庫
人が生涯積み重ねた経験は、つくりあげた財産よりもはるかに貴重です。 本文より
望ましい生き方と人生の終え方を提言した日野原先生が、それを実践した生を2017年7月18日に105歳で終えられた。この本は亡くなる前の一か月前に出版されたものである。105歳で書かれたということは、この本はご自分の人生の、積み重ねてきた経験の、集大成でもあるのでしょう。
本文より
これまで駆け続けてきた人生で、私が大切にしてきたのは、「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」であるという考え方です。そして今、若かりしころよりもむしろ歳を重ねてからのほうが、新たに始まる今日という日の輝きは増しているように感じます。私たちは流れにゆられて川を下る木の葉とは違って、人生の四季のどこか節目で川の淀みに入りこみ、または岸辺に立って、この流れが終焉の海に注ぐ彼方に目をやり、私たちに残された有限の生涯の生き方を考えてみるべきだと思います。
ロバート・ブラウニングの詩の中に次の一節があります。
“われもろとも長生きをせよ。最善の事はのちにあるべし。人生の初めあるは終わりのためなり。”
レオナルド・ダビンチの遺(のこ)した手記の中の言葉です。
“十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ。”(老いというのは、遠いものだと考えるのではなしに、若いうちに老いが始まっているのだ。)
こうなると、若い方は生きていることが老いに向かっていると考え、気が滅入りそうですが、逆の発想で考えてみると。だれでも終わりは来る。そうであれば、手渡された時間に感謝し、有意義に使うことこそ、人生を謳歌出来る人となるのでは。子供の時には大いに玩具を愛し、冒険的な正義に満ちた青春を送り、時がくればすこやかで微笑む老年に落ち着く。私たちはみな、老後に向かって歩いている。日々の積み重ねが、老後にもつながるのである。若いときの姿勢は、人生の最後のステージに反映してくる。よって、若いうちによき本を読み、ゆかしい音楽を聴き、そして何より大切なことは、感性を高めるよき人との出会いをもつことである。105歳の現役医師が書かれた本は尊く感じます。是非、読んでみて下さい。
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」
著 日野原 重明
出版社 PHP文庫
人が生涯積み重ねた経験は、つくりあげた財産よりもはるかに貴重です。 本文より
望ましい生き方と人生の終え方を提言した日野原先生が、それを実践した生を2017年7月18日に105歳で終えられた。この本は亡くなる前の一か月前に出版されたものである。105歳で書かれたということは、この本はご自分の人生の、積み重ねてきた経験の、集大成でもあるのでしょう。
本文より
これまで駆け続けてきた人生で、私が大切にしてきたのは、「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」であるという考え方です。そして今、若かりしころよりもむしろ歳を重ねてからのほうが、新たに始まる今日という日の輝きは増しているように感じます。私たちは流れにゆられて川を下る木の葉とは違って、人生の四季のどこか節目で川の淀みに入りこみ、または岸辺に立って、この流れが終焉の海に注ぐ彼方に目をやり、私たちに残された有限の生涯の生き方を考えてみるべきだと思います。
ロバート・ブラウニングの詩の中に次の一節があります。
“われもろとも長生きをせよ。最善の事はのちにあるべし。人生の初めあるは終わりのためなり。”
レオナルド・ダビンチの遺(のこ)した手記の中の言葉です。
“十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ。”(老いというのは、遠いものだと考えるのではなしに、若いうちに老いが始まっているのだ。)
こうなると、若い方は生きていることが老いに向かっていると考え、気が滅入りそうですが、逆の発想で考えてみると。だれでも終わりは来る。そうであれば、手渡された時間に感謝し、有意義に使うことこそ、人生を謳歌出来る人となるのでは。子供の時には大いに玩具を愛し、冒険的な正義に満ちた青春を送り、時がくればすこやかで微笑む老年に落ち着く。私たちはみな、老後に向かって歩いている。日々の積み重ねが、老後にもつながるのである。若いときの姿勢は、人生の最後のステージに反映してくる。よって、若いうちによき本を読み、ゆかしい音楽を聴き、そして何より大切なことは、感性を高めるよき人との出会いをもつことである。105歳の現役医師が書かれた本は尊く感じます。是非、読んでみて下さい。
3月吉日図書室
2018年02月15日
2月 図書室
2月のカレンダー
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
人生の中で人に出逢って強くなる人もいます
夢に出逢って強くなる人もいます。
わたしは弱い自分に出逢って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作ってきました
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「銀河鉄道の父」
著 門井 慶喜
出版社 講談社
雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 欲ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシズカニワラッテヰル 一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ 本文より
直木賞受賞のこの本は、宮沢賢治を父の正次郎目線で書いた本である。知人から読んでみてと手渡された。なんという巡り合わせだろうと嬉しく、一気に読み進めた。実に読みごたえがあるのである。私は如何に賢治自信を知り得なかったか、改めてこの本に出会って分かったのである。
賢治は神童でありながらも、野山を友人たちと駆けずり回るほどの元気な男子である。ある時は無我夢中で石を集め、石っこ賢さんと呼ばれるほどであった。
父親が反対しながらも盛岡中学校。そして、盛岡高等農林学校と進み、父の質屋は継がなかった。そんな中、ある文房具店で4百字詰めの原稿用紙を見つけ、次の日は仕事を休み、ほんの二・三時間ねむっただけでなにも食べず、ひたすら万年筆を走らせた。噴火の圧力はおとろえず、溶岩は尽きることを知らなかった。気がつくと、日が暮れている。机の上には、三百枚の塔が打ち立てられている。ここで書かれたのが何十本かの短編のひとつ、『風の又三郎』である。その後、「永訣の朝」や「無声慟哭」の入った『春と修羅』を書き上げる。
本文より
自分は質屋の才がなく世わたりの才がなく、強い性格がなく、健康な体がなく、おそらく長い寿命がない。ことに寿命については親戚じゅうの知るところだから嫁の来手がない。あってもきちんと暮らせない。すなわち、子供を生むことができない。それでも父になりたいなら、自分には、もはやひとつしか方法がない。その方法こそが、(子供のかわりに、童話を生む)このことだった。原稿用紙をひろげ、万年筆をとり、脳内のイメージを追いかけているときだけは自分は父親なのである。ときに厳しい、ときに大甘な、正次郎のような父親なのである。物語のなかの風のそよぎも、干した無花果も、トルコからの旅人も、銀色の彗星も、タングステンの電球も、すきとおった地平線も、すべてが自分の子供なのだ。
賢治の童話の原点を垣間見た箇所である。彼の童話の世界観の中にはこのような深い想いがこんこんと泉のように湧き出ている。本を読み終えた後、彼の生活の土台となった岩手(イーハトヴ)へ行ってみたくなった。
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
人生の中で人に出逢って強くなる人もいます
夢に出逢って強くなる人もいます。
わたしは弱い自分に出逢って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作ってきました
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「銀河鉄道の父」
著 門井 慶喜
出版社 講談社
雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 欲ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシズカニワラッテヰル 一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ 本文より
直木賞受賞のこの本は、宮沢賢治を父の正次郎目線で書いた本である。知人から読んでみてと手渡された。なんという巡り合わせだろうと嬉しく、一気に読み進めた。実に読みごたえがあるのである。私は如何に賢治自信を知り得なかったか、改めてこの本に出会って分かったのである。
賢治は神童でありながらも、野山を友人たちと駆けずり回るほどの元気な男子である。ある時は無我夢中で石を集め、石っこ賢さんと呼ばれるほどであった。
父親が反対しながらも盛岡中学校。そして、盛岡高等農林学校と進み、父の質屋は継がなかった。そんな中、ある文房具店で4百字詰めの原稿用紙を見つけ、次の日は仕事を休み、ほんの二・三時間ねむっただけでなにも食べず、ひたすら万年筆を走らせた。噴火の圧力はおとろえず、溶岩は尽きることを知らなかった。気がつくと、日が暮れている。机の上には、三百枚の塔が打ち立てられている。ここで書かれたのが何十本かの短編のひとつ、『風の又三郎』である。その後、「永訣の朝」や「無声慟哭」の入った『春と修羅』を書き上げる。
本文より
自分は質屋の才がなく世わたりの才がなく、強い性格がなく、健康な体がなく、おそらく長い寿命がない。ことに寿命については親戚じゅうの知るところだから嫁の来手がない。あってもきちんと暮らせない。すなわち、子供を生むことができない。それでも父になりたいなら、自分には、もはやひとつしか方法がない。その方法こそが、(子供のかわりに、童話を生む)このことだった。原稿用紙をひろげ、万年筆をとり、脳内のイメージを追いかけているときだけは自分は父親なのである。ときに厳しい、ときに大甘な、正次郎のような父親なのである。物語のなかの風のそよぎも、干した無花果も、トルコからの旅人も、銀色の彗星も、タングステンの電球も、すきとおった地平線も、すべてが自分の子供なのだ。
賢治の童話の原点を垣間見た箇所である。彼の童話の世界観の中にはこのような深い想いがこんこんと泉のように湧き出ている。本を読み終えた後、彼の生活の土台となった岩手(イーハトヴ)へ行ってみたくなった。
2月吉日 図書室
2018年01月24日
1月 図書室
1月の掲示板とカウンター
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
一気にゆけ
いよいよ本格的に人生に挑むときが来ました。
誰の力でもなく自分の力で生きてゆく時がきた。
いまから自分の人生をつくります。
やりたいことを思いっ切りやって生きてゆきます。
いまから本気で自分の夢をめざすときです。
図書司書から
おすすめ本を紹介します
しあわせを生むちいさな種
著 松浦 弥太郎
出版社 PHP文庫
この本は、あなたらしいしあわせの花を咲かせるための種です。僕が見つけた「これこそ確実にしあわせという花が咲く種」というものを、お裾わけするつもりでつくりました。 本文より
「贈り物は」手紙と笑顔。という章があります。私もそれに習い、お手紙を書く形で綴りたいと思います。松浦さん、一年のスタートにこの本に出会えたことに心から感謝したいと思います。どの章から読んでも盛りだくさんの内容であり、私の一年はあなたの日々の暮らしを大切に生きていく事の一つ一つを実践していくのみだと痛感させられました。ここで、文章中より、二点ほど、紹介させて下さい。
一点目は人とつながるうえでは、コミュニケーションが大切です。その中心となるのは言葉。「子どものように聞き、大人として話す」の章は感慨深いものがありました。人の話を聞くときは何も知らない子どものように「無知な自分」として耳を傾けます。相手が若くても、経験が浅くても変わりません。聞いた話がたとえ知っていることであったとしても、「そんなこと知ってるよ」というのではなく、「話してくれてありがとう」と感謝出来る人でありたいのです。そして、「大人として話すこと」特に人と話すときは、相手がどういう気持ちかを、できる限り想像しながらはなすこと。いいことも悪いことも思いやりを持って伝えるということです。人とつながるということはこういうことなのだと実感します。
二点目は花を咲かせるための三つの秘訣を松浦さんに教えてもらいます。一つ目は、『人の心を察する感性』人の心を察し、思いやる感性がなければ、どんな花も咲きません。二つ目は『状況を読み取る観察力』。社会が今どうなっているか、まわりの状況がどう動いているかを正しく読み取る観察力がなければ、タイミングを逸します。三つ目は、何が来るのでしょう?読んでのお楽しみ。
さて、手紙も最終章に入りました。この松浦さんの言葉で閉めたいと思います。「僕は何があろうと毎日夜の七時に家族そろって夕食を食べるという習慣が宝物です。」何よりも家族を大切になさっている松浦さんに乾杯!
新しい年が始まりました。今年も一年間、宜しくお付き合い下さい。
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一般入学試験(後期)の願書受付が次の通り行われています。
一般入学試験(後期)
願書受付
平成30年1月9日(火)~1月24日(水)
(※郵送は最終日消印有効)
試験日
平成30年2月3日(土)
合格発表
平成30年2月9日(金)
募集要項をご希望の方はこちらまで
生涯心の支えになる言葉 夢
人に出会ったとき人間は大きく変わる事ができます。
強い人間になってゆけます。
一気にゆけ
いよいよ本格的に人生に挑むときが来ました。
誰の力でもなく自分の力で生きてゆく時がきた。
いまから自分の人生をつくります。
やりたいことを思いっ切りやって生きてゆきます。
いまから本気で自分の夢をめざすときです。
図書司書から
おすすめ本を紹介します
しあわせを生むちいさな種
著 松浦 弥太郎
出版社 PHP文庫
この本は、あなたらしいしあわせの花を咲かせるための種です。僕が見つけた「これこそ確実にしあわせという花が咲く種」というものを、お裾わけするつもりでつくりました。 本文より
「贈り物は」手紙と笑顔。という章があります。私もそれに習い、お手紙を書く形で綴りたいと思います。松浦さん、一年のスタートにこの本に出会えたことに心から感謝したいと思います。どの章から読んでも盛りだくさんの内容であり、私の一年はあなたの日々の暮らしを大切に生きていく事の一つ一つを実践していくのみだと痛感させられました。ここで、文章中より、二点ほど、紹介させて下さい。
一点目は人とつながるうえでは、コミュニケーションが大切です。その中心となるのは言葉。「子どものように聞き、大人として話す」の章は感慨深いものがありました。人の話を聞くときは何も知らない子どものように「無知な自分」として耳を傾けます。相手が若くても、経験が浅くても変わりません。聞いた話がたとえ知っていることであったとしても、「そんなこと知ってるよ」というのではなく、「話してくれてありがとう」と感謝出来る人でありたいのです。そして、「大人として話すこと」特に人と話すときは、相手がどういう気持ちかを、できる限り想像しながらはなすこと。いいことも悪いことも思いやりを持って伝えるということです。人とつながるということはこういうことなのだと実感します。
二点目は花を咲かせるための三つの秘訣を松浦さんに教えてもらいます。一つ目は、『人の心を察する感性』人の心を察し、思いやる感性がなければ、どんな花も咲きません。二つ目は『状況を読み取る観察力』。社会が今どうなっているか、まわりの状況がどう動いているかを正しく読み取る観察力がなければ、タイミングを逸します。三つ目は、何が来るのでしょう?読んでのお楽しみ。
さて、手紙も最終章に入りました。この松浦さんの言葉で閉めたいと思います。「僕は何があろうと毎日夜の七時に家族そろって夕食を食べるという習慣が宝物です。」何よりも家族を大切になさっている松浦さんに乾杯!
新しい年が始まりました。今年も一年間、宜しくお付き合い下さい。
1月吉日 図書室
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一般入学試験(後期)の願書受付が次の通り行われています。
一般入学試験(後期)
願書受付
平成30年1月9日(火)~1月24日(水)
(※郵送は最終日消印有効)
試験日
平成30年2月3日(土)
合格発表
平成30年2月9日(金)
募集要項をご希望の方はこちらまで
2017年12月22日
12月図書室
12月の掲示板とカウンター
図書司書から
おすすめ本を紹介します
劇場
著 又吉 直樹
出版社 新潮社
一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。 本文より
火花より先に取りかかっていたという作品。言葉の一つ一つがとても繊細であり、気持ちの描写が手に取るように理解できるようである。著者自身が長い間、書かずにはいられなかった、たった一つの不器用な恋。
演劇をしながら、なけなしのお金で生活をしている永田と、服飾の学校に通っている沙希。二人とも夢を描いて東京にやってきた。沙希は学生の時に永田と出会うのであるが、その二人の出会いがなんとも衝撃的である。
本文より引用
画廊の作品を眺めていると、何人もの通行人が背後を通りすぎていった。その景色の中で、その人だけが動かなかった。僕は叫びたくなった。そして、理由もわからずに泣きたくなった。あるいは、ずっと前から感情を爆発させる合図を待っていたのかもしれない。その人は画廊の内部を覗きこむようにじっと見ていた。僕はその人をじっと見ていた。この人なら、自分のことを理解してくれるのではないかと思った。「靴、同じやな」いつのまにか僕は小さな声でへんなことを言っていた。「違いますよ」その人は言った。「あした、遊べる?」また僕は変なことを言っていた。「知らない人なので」その人が不思議そうな顔で僕を見上げる。「あの、暑いので、この辺りの、涼しい場所で、冷たいものでも、一緒に飲んだ方が良いと思いまして、でも、古着屋で服を買って、お金がないので、おごれないので、あれなんですけど、あきらめます。また、どこかで会いましたら」懸命に言葉をつないでいるうちに、自分が絶望的な状況にあって、どうにもならないということに気づいてしまったのだ。「どういうことですか?お金を貸して欲しいってことですか?」「ちがう」もう、僕からは子供の頃に覚えた言葉しか出てこなかった。結局、僕は近くのカフェでその人におごってもらうことになった。
沙希はその後、永田の恋人になるのであるが・・・。
夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な人を想う。永田の奇妙な言動と、恋に対して不器用な所を笑って許せる沙希のやさしさは、切なくもあり、物語の展開に絶妙な隠し味を入れている。実に読み応え満載の恋愛小説である。あなたも又吉さんの第2弾、読んでみたいと思いませんか?
図書司書から
おすすめ本を紹介します
劇場
著 又吉 直樹
出版社 新潮社
一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。 本文より
火花より先に取りかかっていたという作品。言葉の一つ一つがとても繊細であり、気持ちの描写が手に取るように理解できるようである。著者自身が長い間、書かずにはいられなかった、たった一つの不器用な恋。
演劇をしながら、なけなしのお金で生活をしている永田と、服飾の学校に通っている沙希。二人とも夢を描いて東京にやってきた。沙希は学生の時に永田と出会うのであるが、その二人の出会いがなんとも衝撃的である。
本文より引用
画廊の作品を眺めていると、何人もの通行人が背後を通りすぎていった。その景色の中で、その人だけが動かなかった。僕は叫びたくなった。そして、理由もわからずに泣きたくなった。あるいは、ずっと前から感情を爆発させる合図を待っていたのかもしれない。その人は画廊の内部を覗きこむようにじっと見ていた。僕はその人をじっと見ていた。この人なら、自分のことを理解してくれるのではないかと思った。「靴、同じやな」いつのまにか僕は小さな声でへんなことを言っていた。「違いますよ」その人は言った。「あした、遊べる?」また僕は変なことを言っていた。「知らない人なので」その人が不思議そうな顔で僕を見上げる。「あの、暑いので、この辺りの、涼しい場所で、冷たいものでも、一緒に飲んだ方が良いと思いまして、でも、古着屋で服を買って、お金がないので、おごれないので、あれなんですけど、あきらめます。また、どこかで会いましたら」懸命に言葉をつないでいるうちに、自分が絶望的な状況にあって、どうにもならないということに気づいてしまったのだ。「どういうことですか?お金を貸して欲しいってことですか?」「ちがう」もう、僕からは子供の頃に覚えた言葉しか出てこなかった。結局、僕は近くのカフェでその人におごってもらうことになった。
沙希はその後、永田の恋人になるのであるが・・・。
夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な人を想う。永田の奇妙な言動と、恋に対して不器用な所を笑って許せる沙希のやさしさは、切なくもあり、物語の展開に絶妙な隠し味を入れている。実に読み応え満載の恋愛小説である。あなたも又吉さんの第2弾、読んでみたいと思いませんか?
12月吉日 図書室
2017年11月28日
11月図書室
図書司書から
おすすめ本を紹介します
稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?
著 亀田 潤一郎
出版社 サンマーク出版
長年稼ぎ続けている社長というのは、すべからく「美しい財布を使っている」。「もしかすると、財布というのは単にお金を入れる“道具”以上の力をもっているのではないか」 本文より
亀田さんは父の会社が倒産し、その悲劇を目の当たりにし、自身もホームレスでうつ病になるも、「中小企業の経営者をお金の苦労から守りたい」という使命感から苦節10年を経て税理士の道へ。数々の経営者と付き合う中で、「稼ぐ社長の財布の使い方」にいくつもの共通点があることを発見した。
稼ぎ続けることの出来る人たちは、財布をはじめ、お金の周辺にあるあらゆる部分にこだわりをもっているからこそ、そしてお金そのものをないがしろにしないからこそ、高い水準のお金を引き寄せることができる。
お金というのは、いい加減に使ったり適当に借りたりすると、踵を返すようにして逃げていくが、逆に追いかけすぎても逃げていくもの。それは人と同じ。
どんなに親しい間柄であっても、あまりしつこくされたら逃げたくなる。一挙手一投足にいちいち目を向けられたら、窮屈でその人の元から離れたくなる。
かといって、いい加減な扱いをしたり、無視する人のそばにはもっといたくない。
お金と人は基本的に同じ。だからお金とも節度をもってつきあう。執着するのではなく、適度な距離を保ちながらつきあう。「親しき仲にも礼儀あり」の関係である。
とあるお寺の住職から、「お金持ちで幸せ、お金持ちで不幸、貧乏で幸せ、貧乏で不幸。このなかで、あなたはどのような人間になりたいか?」と問われたら、あなただったら、なんて答えるか?おそらくほとんどが「お金持ちで幸せ」「貧乏で幸せ」のどちらかを選ぶと思う。そこからわかるのは、突き詰めると、人は「お金持ち」になりたいのではなく、ただ「幸せ」になることを望んでいる、ということ。
お金がいくらあっても幸せと感じなければ人生は楽しくないことを、だれしも心のおく深いところで理解しているのでしょう。いかがでしょう。この本はお金観を通して、より多くの人生観を伝えているかもしれません。是非、一読を!
11月吉日 図書室より
2017年10月31日
10月 図書室
10月の掲示板とカウンター
前へ
笑顔をたやさずに もう一歩前進
苦しさに負けないで もう一歩前進
やるべきことをやりながら もう一歩前進
自分の夢をつかむため もう一歩前進
図書司書から
おすすめ本を紹介します
すごい『会話力』
著 齋藤 孝
出版社 講談社
“今は、何の時代か。この問いにはいくつもの答えが可能ですが、「会話力の時代」という答えは有力なものだと私は考えています。”
本文より
「会話力」とは人間の「総合力」である!この言葉を聞いて、どれだけの人が“ウチアタイ”したでしょうか。かくいう私もその一人です。それでは、本文中より、少しだけ、この文章を読んでいるあなたにだけ、お伝えします。
会話力の第一段階は「雑談力」です。一番基礎的な会話力は言葉のやり取りを通じて相手と仲良くなる「雑談力」です。雑談には、その場の人間同士の距離を縮め、場の空気を和らげる力があります。この力がある人はお互いの話を盛り上げ、社会生活を送る上で極めて大きな力となるのです。
第二段階は「意味のやり取り」の会話力です。これは言い換えれば、相手の話の意味を上手に要約する力です。実は小学校から高校の勉強で主に養っているのは、この意味をやり取りする力です。いわゆる、聞かれていることに対して、正確に答える力です。
第三段階は「クリエイティブ(創造的・独創的)な会話力」です。「じゃあ、こうしたらどう?」「なるほど。それならここをこうアレンジしたらどうかな?」という具合に、具体的なアイディアがポンポン出てくる、若しくはアイディアの呼び水となる一言を投げかけられる、更にそれを受けて話を展開することが出来る。それらがクリエイティブな会話力となります。
さて、会話のトレーニング法として挙がってくるものには「本を読む」や「新聞を読む」という行為があるのはご存知でしょうが、その他にも本文中には田中角栄・福沢諭吉・ニーチェ・勝海舟等のすごすぎる技も紹介しており、中身の濃い内容となっております。会話力に興味がある方、必見です。
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一般入学試験(前期)の願書受付が次の通り行われています。
一般入学試験(前期)
願書受付
平成29年10月30日(月)~11月15日(水)
(※郵送は最終日消印有効)
試験日
平成29年11月25日(土)
合格発表
平成29年12月1日(金)
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苦しさに負けないで もう一歩前進
やるべきことをやりながら もう一歩前進
自分の夢をつかむため もう一歩前進
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すごい『会話力』
著 齋藤 孝
出版社 講談社
“今は、何の時代か。この問いにはいくつもの答えが可能ですが、「会話力の時代」という答えは有力なものだと私は考えています。”
本文より
「会話力」とは人間の「総合力」である!この言葉を聞いて、どれだけの人が“ウチアタイ”したでしょうか。かくいう私もその一人です。それでは、本文中より、少しだけ、この文章を読んでいるあなたにだけ、お伝えします。
会話力の第一段階は「雑談力」です。一番基礎的な会話力は言葉のやり取りを通じて相手と仲良くなる「雑談力」です。雑談には、その場の人間同士の距離を縮め、場の空気を和らげる力があります。この力がある人はお互いの話を盛り上げ、社会生活を送る上で極めて大きな力となるのです。
第二段階は「意味のやり取り」の会話力です。これは言い換えれば、相手の話の意味を上手に要約する力です。実は小学校から高校の勉強で主に養っているのは、この意味をやり取りする力です。いわゆる、聞かれていることに対して、正確に答える力です。
第三段階は「クリエイティブ(創造的・独創的)な会話力」です。「じゃあ、こうしたらどう?」「なるほど。それならここをこうアレンジしたらどうかな?」という具合に、具体的なアイディアがポンポン出てくる、若しくはアイディアの呼び水となる一言を投げかけられる、更にそれを受けて話を展開することが出来る。それらがクリエイティブな会話力となります。
さて、会話のトレーニング法として挙がってくるものには「本を読む」や「新聞を読む」という行為があるのはご存知でしょうが、その他にも本文中には田中角栄・福沢諭吉・ニーチェ・勝海舟等のすごすぎる技も紹介しており、中身の濃い内容となっております。会話力に興味がある方、必見です。
10月吉日 図書室より
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2017年09月22日
9月図書室
9月掲示板とカウンター
人生の中で人に出会って強くなる人もいます
夢に出会って強くなる人もいます
わたしは弱い自分に出会って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作っていきました
生涯心の支えになる言葉
夢、人に出逢ったときに
人間は大きく変わることができます
強い人間になってゆけます
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「あずかりやさん」
著 大山 淳子
出版社 ポプラ文庫
ある書店に入るとその本は静かに佇んでいた。それでもほのぼのとしたオーラを放っている。表紙に“さとう”の文字入りの“のれん”があり、昔なつかしいドロップを散りばめたような装いは、あまりにかわいくて、思わず手に取った。『一日百円で、何でもお預かりします。』この言葉が気になり始めた。読んでみたい!そのまま、レジへ。
店主は目が見えず、静かに座り、時折、お客が持ってくる、点字本を静かに読みふけっている。そして、ひたすらお客が来るのを待っているだけ。それでも、端正な顔立ちは聡明さが滲み出、目が見えない分、中身を見る事もないので、信頼がおける。又、どんな人に対しても公平、且つ、正直なので、安心してあずけにくるのである。
「あずかりやさん」はどんなものでも1日100円であずかるのだが、その品物がおもしろい。遺骨や遺書、はたまた物騒な拳銃。又、犬や猫などの生きている動物もあずかるのである。更にあずかり期限が二週間経って受け取りに来ない場合は、あずかりの品は店のものとなる。
ある日、じいさんが大事な書類を預けにきた。そこで店主は「2週間の預かりなので千四百円でお願いします」と。じいさん曰く、「これは大事な書類なので、特別に1日、千円、合計一万四千円で預かってください」珍しい客だ。あずかり賃の値上げを要求している。店主はきっぱりと言った。「そういうわけにはまいりません。百円だと適当に預かり、千円だと懸命に預かる、そのようなことはこの店では致しません。どんなものも同じ条件で心を込めておあずかりしています」
じいさんは千四百円を一万四千円で店主に渡した。店主はそれを受け取ると、一万円札を指先でたしかめ、さらに指で札のサイズを測ると、五千円札一枚と、千円札四枚をじいさんにおつりとして、渡した。目がみえないのにも関わらず、しっかりと万札と千札を見極めている。店主は札を識別マークで見極め、硬貨は持った瞬間、重さが違うのでわかるという。じいさんは感心するようにうなずき、長い財布におつりをしまった。
そんなわけで、店主の正直さに惚れ、このじいさんから後々、あるプレゼントを貰うのであるが・・・。いろいろなあずかりものを通して物語は展開していく。最初から最後まで、この店主の気持ちの良い、透明さは裏切らない。加えて、ほのぼのとした、やさしさ、あたたかさが伝わってくる。久しぶりに良い本に出会えたと思うのは私だけでしょうか?秋の夜長、静かな場所で読んでみて下さい。
9月吉日図書室より
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推薦入学試験の願書受付が下記の通り行われています。
推薦試験
願書受付
平成29年9月11日(月)~9月27日(水)
(※郵送は最終日消印有効)
試験日
平成29年10月7日(土)
合格発表
平成29年10月20日(金)
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人生の中で人に出会って強くなる人もいます
夢に出会って強くなる人もいます
わたしは弱い自分に出会って
そこから強くなってきました
くじけない自分を作っていきました
生涯心の支えになる言葉
夢、人に出逢ったときに
人間は大きく変わることができます
強い人間になってゆけます
図書司書から
おすすめ本を紹介します
「あずかりやさん」
著 大山 淳子
出版社 ポプラ文庫
ある書店に入るとその本は静かに佇んでいた。それでもほのぼのとしたオーラを放っている。表紙に“さとう”の文字入りの“のれん”があり、昔なつかしいドロップを散りばめたような装いは、あまりにかわいくて、思わず手に取った。『一日百円で、何でもお預かりします。』この言葉が気になり始めた。読んでみたい!そのまま、レジへ。
店主は目が見えず、静かに座り、時折、お客が持ってくる、点字本を静かに読みふけっている。そして、ひたすらお客が来るのを待っているだけ。それでも、端正な顔立ちは聡明さが滲み出、目が見えない分、中身を見る事もないので、信頼がおける。又、どんな人に対しても公平、且つ、正直なので、安心してあずけにくるのである。
「あずかりやさん」はどんなものでも1日100円であずかるのだが、その品物がおもしろい。遺骨や遺書、はたまた物騒な拳銃。又、犬や猫などの生きている動物もあずかるのである。更にあずかり期限が二週間経って受け取りに来ない場合は、あずかりの品は店のものとなる。
ある日、じいさんが大事な書類を預けにきた。そこで店主は「2週間の預かりなので千四百円でお願いします」と。じいさん曰く、「これは大事な書類なので、特別に1日、千円、合計一万四千円で預かってください」珍しい客だ。あずかり賃の値上げを要求している。店主はきっぱりと言った。「そういうわけにはまいりません。百円だと適当に預かり、千円だと懸命に預かる、そのようなことはこの店では致しません。どんなものも同じ条件で心を込めておあずかりしています」
じいさんは千四百円を一万四千円で店主に渡した。店主はそれを受け取ると、一万円札を指先でたしかめ、さらに指で札のサイズを測ると、五千円札一枚と、千円札四枚をじいさんにおつりとして、渡した。目がみえないのにも関わらず、しっかりと万札と千札を見極めている。店主は札を識別マークで見極め、硬貨は持った瞬間、重さが違うのでわかるという。じいさんは感心するようにうなずき、長い財布におつりをしまった。
そんなわけで、店主の正直さに惚れ、このじいさんから後々、あるプレゼントを貰うのであるが・・・。いろいろなあずかりものを通して物語は展開していく。最初から最後まで、この店主の気持ちの良い、透明さは裏切らない。加えて、ほのぼのとした、やさしさ、あたたかさが伝わってくる。久しぶりに良い本に出会えたと思うのは私だけでしょうか?秋の夜長、静かな場所で読んでみて下さい。
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7月図書室
7月掲示板とカウンター
自分に夢がないと 人に夢をあたえることはできません
自分に力がないと 人に力をあたえることはできません
自分に幸せがないと 人に幸せをあたえることはできません
まず自分をつくることです
大きな強い明るい人間にさせることです
それから本当の人生の出発が始まります
図書司書から
おすすめ本を紹介します
アランの幸福論
著 アラン
訳 齋藤 慎子
写真 山口 昌弘
著者であるアランはフランスの哲学者。本名はエミール=オーギュスト・シャルティェ。ノルマンディー地方のモルターニュ生まれ。1906年より地元紙に「あるノルマンディー人のプロポ」というコラムの寄稿を開始、第一次大戦前後に約5000編を新聞や雑誌に発表した。なかでも幸福について記した93編をまとめて出版したのが『幸福論』である。これはヒルティ、ラッセルの『幸福論』とともに世界三大幸福論といわれ、世界中で翻訳され読み継がれている。日本でも昔からファンが多い。定年まで高校教師の職を続け、その後83歳で亡くなるまで、多くの著者や論文を執筆した。
ここで、本文より2点、アランの言葉を紹介する。
“機嫌のいい考え方をする”
経験にはふたとおりあって、気が滅入るものと、気持ちが明るくなるものがある。ハンターにも機嫌のいい人と嘆いてばかりの人がいるのと同じである。嘆いてばかりのハンターは、うさぎをしとめ損ねて、こう言う。「やっぱり。おればかりこんな目にあうんだ」機嫌のいいハンターなら、うさぎのすばしっこさに感心する。そもそも、人間に食べられるためにうさぎがピョンと来てくれるはずがないことがわかっているからである。
“悲しみは心の問題ではなく、身体の問題である”
ある精神分析医が、人の気分の移り変わりをいろいろと観察し分析するうちに、ひとつの法則に気づいた。楽しい時期が終わりに近づくと赤血球の数が減り、悲しい時期が終わる頃には増え始めるのである。悲しみは、実は赤血球の数の問題なのだとわかれば、話は早い。いらぬことに思いをめぐらすことをさっさとやめよう。悲しみは心の問題ではなく、身体の問題と考えるのだ。そうすればもう疲れや病気と同じことで、ちっとも複雑なことではなくなる。
どうだろうか?悲しみを赤血球の数の問題と捉えると、なんだか悩んでいることがばからしくなるのではないだろうか?アランの言葉を借りれば、「あなたは幸せを自分の中に持っているはずだ」そう、私たちは誰でも幸せになる権利を持っている。是非、「アランの幸福論」を読んでみてください。きっとあなたを幸せに導く言葉が見つかると思いますよ。
自分に夢がないと 人に夢をあたえることはできません
自分に力がないと 人に力をあたえることはできません
自分に幸せがないと 人に幸せをあたえることはできません
まず自分をつくることです
大きな強い明るい人間にさせることです
それから本当の人生の出発が始まります
図書司書から
おすすめ本を紹介します
アランの幸福論
著 アラン
訳 齋藤 慎子
写真 山口 昌弘
著者であるアランはフランスの哲学者。本名はエミール=オーギュスト・シャルティェ。ノルマンディー地方のモルターニュ生まれ。1906年より地元紙に「あるノルマンディー人のプロポ」というコラムの寄稿を開始、第一次大戦前後に約5000編を新聞や雑誌に発表した。なかでも幸福について記した93編をまとめて出版したのが『幸福論』である。これはヒルティ、ラッセルの『幸福論』とともに世界三大幸福論といわれ、世界中で翻訳され読み継がれている。日本でも昔からファンが多い。定年まで高校教師の職を続け、その後83歳で亡くなるまで、多くの著者や論文を執筆した。
ここで、本文より2点、アランの言葉を紹介する。
“機嫌のいい考え方をする”
経験にはふたとおりあって、気が滅入るものと、気持ちが明るくなるものがある。ハンターにも機嫌のいい人と嘆いてばかりの人がいるのと同じである。嘆いてばかりのハンターは、うさぎをしとめ損ねて、こう言う。「やっぱり。おればかりこんな目にあうんだ」機嫌のいいハンターなら、うさぎのすばしっこさに感心する。そもそも、人間に食べられるためにうさぎがピョンと来てくれるはずがないことがわかっているからである。
“悲しみは心の問題ではなく、身体の問題である”
ある精神分析医が、人の気分の移り変わりをいろいろと観察し分析するうちに、ひとつの法則に気づいた。楽しい時期が終わりに近づくと赤血球の数が減り、悲しい時期が終わる頃には増え始めるのである。悲しみは、実は赤血球の数の問題なのだとわかれば、話は早い。いらぬことに思いをめぐらすことをさっさとやめよう。悲しみは心の問題ではなく、身体の問題と考えるのだ。そうすればもう疲れや病気と同じことで、ちっとも複雑なことではなくなる。
どうだろうか?悲しみを赤血球の数の問題と捉えると、なんだか悩んでいることがばからしくなるのではないだろうか?アランの言葉を借りれば、「あなたは幸せを自分の中に持っているはずだ」そう、私たちは誰でも幸せになる権利を持っている。是非、「アランの幸福論」を読んでみてください。きっとあなたを幸せに導く言葉が見つかると思いますよ。
7月吉日 図書室より