菅政権の公安奉行
さる11月4日、衆院予算委員会で立憲民主党の辻本清美が、日本学術会議メンバーの任命拒否について質問に立った。
「6人の除外をいつ、誰から聞いたのですか」
そう問われると、首相の菅義偉はもごもごと答える。
「(6人を外すことを知ったのは)決済をする前。多分、杉田官房副長官からだと思います」
いまや日常風景になっている二転三転する首相の答弁の中、初めて杉田和博の存在を明らかにした。さすがにこれに対し、警察庁の関係者たちは憤りを隠さない。
「あれを言ってはお終いでしょう。たしかに安保法制や特定秘密保護法などに反対してきた学者を調べ、問題視したのは杉田さんでしょうけど、最終判断は官僚ではできないわけですから。あれでは杉田さんの立つ瀬がない」
そう話す警視庁OBがいる反面、ある官邸関係者はこうも打ち明けた。
「菅総理の最終決断は杉田さんではなく、和泉(洋人首相補佐官)のアドバイスによるものだと聞きました。総理はそこを隠したいから、敢えて杉田さんを前面に出しているのかもしれません」(以下略)