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2020-11

菅政権の公安奉行

 本日発売のサンデー毎日に日本学術会議問題のキーマンとされる杉田和博官房副長官を書きました。

さる11月4日、衆院予算委員会で立憲民主党の辻本清美が、日本学術会議メンバーの任命拒否について質問に立った。
「6人の除外をいつ、誰から聞いたのですか」
 そう問われると、首相の菅義偉はもごもごと答える。
「(6人を外すことを知ったのは)決済をする前。多分、杉田官房副長官からだと思います」
いまや日常風景になっている二転三転する首相の答弁の中、初めて杉田和博の存在を明らかにした。さすがにこれに対し、警察庁の関係者たちは憤りを隠さない。
「あれを言ってはお終いでしょう。たしかに安保法制や特定秘密保護法などに反対してきた学者を調べ、問題視したのは杉田さんでしょうけど、最終判断は官僚ではできないわけですから。あれでは杉田さんの立つ瀬がない」
 そう話す警視庁OBがいる反面、ある官邸関係者はこうも打ち明けた。
「菅総理の最終決断は杉田さんではなく、和泉(洋人首相補佐官)のアドバイスによるものだと聞きました。総理はそこを隠したいから、敢えて杉田さんを前面に出しているのかもしれません」(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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