霞が関崩壊「森友手記」の行方
すべての嘘はモリカケに通ず。先ごろ飛び出した元財務省職員の手記を読むにつけ、思わずそう言いたくなる。さる3月18日、遺族の弁護士が大阪市内で記者会見し、自殺した元近畿財務局職員の手記を公表した。
〈(森友学園との)応接記録をはじめ、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないこと、検査院への説明は「文書として保存していない」と説明するよう事前に本省から指示がありました〉
ジャーナリストの相澤冬樹がいち早く週刊文春で発掘した手記の発表を機に、野党も政府に森友学園問題の再調査を要求してきた。震える手で書かれた遺書には、赤木俊夫・元上席財産管理官(当時54)の伝えようとした〝真実〟が綴られている。
なぜ財務省が国有地を8億円以上も値引きして森友学園に売ったのか。加計学園と同じく、首相夫人の安倍昭恵と親しい籠池夫婦への依怙贔屓ではないのか。念を押すまでもなく、それが森友疑惑の原点である。
財務省近畿財務局と森友学園とのあいだにどのようなやり取りがあったのか。森友疑惑を解明する上で、まず明らかにすべきが、駆け引きの記録だった。
ことが発覚した当初の2017年通常国会では、国有地を所管する理財局長の佐川宣寿が、取引にかかわる文書をすべて破棄したと答弁する。だが、翌18年に入ると、朝日新聞の報道により、その嘘がばれていく。そして国有地売買を記した財務省近畿理財局の公文書が次々と明るみに出ていった。(以下略)