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2025-01

バブル時代に全盛「手形交換所」の閉鎖」

 これもデジタル時代の影響に違いありません。企業の取引で使われる「商業手形」の交換所が2日をもってすべて閉鎖されました。手形の交換所は全国に180もあり、最初が140年の歴史を持つ「大阪手形交換所」。創設者がかの渋沢栄一さんです。
 手形や小切手は明治以降日本の商慣習を支えてきた一方、詐欺などにも使われてきました。あるいは手形を乱発して逃げてしまう経営者もいたり。その全盛がバブル期で、事件も頻発しました。
 もっとも手形交換所がなくなっても、手形そのものが廃止されるわけではありません。紙の手形を廃止し、デジタル手形に切り替えようとする政府方針に従っているだけ。そのほうが利便性が高まるということですが、仮想通貨や電子マネーが増えているのと同じ。詐欺がなくなるわけではありません。

ロシアのウクライナ侵攻で欧州原発復活?

 ロシアのウクライナ侵攻ニュースで持ちきりです。やりたい放題のプーチンに西側諸国も有効な手立てが見あたらず、かなり困惑している様子です。が、その原因の一つは、欧州とくにドイツが安易にロシアの天然ガス外交に乗ってきたからではないでしょうか。ドイツの要人がロシアのガス会社の役員になっていたり。脱原発に舵を切ったドイツにしてみたら、CO2排出量の少ない天然ガスを欲しがるのはわかりますが、そこに付け込まれた格好。
 で、いまや欧州や米国が原発の復活に力を入れているといいます。自然エネルギー開発で思うように効果が出ず、ドイツのショルツさんも方向転換せざるをえなくなっているようです。
 ロシア軍がチェルノブイリ地域に侵攻しているというニュースも気になります。 

新生銀行「SBI」に全面降伏の裏舞台

 SBIのTOBに猛反発してきたはずの新生銀行がここへ来てあっさり白旗をあげました。預金保険機構など国もSBIの買収に反対と報じられてきただけに意外な気もしますが、実のところ出来レースの色が濃いのだそうです。
 キーマンはSBI側が新生銀行に送り込もうとしている五味元金融庁長官。SBIは金融庁の天下りを大勢受け入れているそうで、新生銀行の買収にも金融庁がひと役買っているのだとか。政府として表向き反対していると言いながら、裏でSBIが金融庁と手を結んできたという説を唱える人もいます。さもありなん。

泥のカネの主人公「水谷功」逝く

 昨17日朝、水谷建設元会長の水谷功さんが亡くなりました。水谷さんといえば、拙著「泥のカネ」で取りあげさせていただきました。小沢一郎事務所への「陸山会裏献金事件」をはじめ数々の政治とカネ問題で取り沙汰された知る人ぞ知る平成の政商。ご本人とは何度もお会いし、本は決して褒めているわけではありませんが、それを受け入れてくれる懐の深さがありました。
 この10年ほどは水谷建設からは離れ、東日本の震災後には自らの日起建設で原発復興事業に取り組んでかなりの収益をあげていましたが、躓きは辺野古基地建設。埋め立て工事が何度も中断され、資金繰りに困っていた様子でした。
 そんなとき折悪しく胃癌が見つかり、その後、転移もあって病床に伏せっていたとのことです。この数年ご無沙汰してきたので、それが残念です。心よりご冥福をお祈りします。合掌

孫正義の新たな頭痛のタネ「ワイヤーカード」

 大赤字に転落したソフトバンクグループの株主総会で孫正義社長が強気の発言をしていましたが、その足元で新たな火種が浮上しています。先頃、ドイツ検察当局がCEOを逮捕し、破産手続きに入ったフィンテック決済のワイヤーカードがそれ。
<SBGは19年4月に関連会社を通じワイヤーカード社と提携すると同時に、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の運営を担うソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)が運営する別のファンドが、ワイヤー社の新株予約権付社債(転換社債=CB)を約9億ユーロ(約1100億円)で引き受けると決めた。
ただし、SBGとSVFはこのファンドに資金を出さなかった。SVFの運用責任者でSBG副社長でもあるラジーブ・ミスラ最高経営責任者らSBIA幹部が個人として資金を拠出し、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンドも出資した。SBGの孫正義会長兼社長は投資しなかったという>(26日付日経電子版より)
 このところの孫さんの投資の失敗。仮に井上さんが生きていたらどう見るでしょうか。
202005-ならずもの

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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