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2020-11

文藝春秋「菅首相と実弟のJR既得権益」

 本日発売の文藝春秋12月号に菅首相のJR利権について書きました。

 政権発足からひと月半、新宰相の菅義偉は多忙を極めるなか、同じ団体の会合に二度出席している。JR東日本グループの職域団体「東日本ときわ会」の幹部会がそれだ。一度目は十月七日午後七時十分のこと。菅は東京・飯田橋にあるホテルメトロポリタンエドモントの宴会場「悠久」に駆け付け、いつになく明るい張りのある声でスピーチした。
「私は住田社長のご恩を決して忘れられません。今の私があるのは住田社長のおかげと……」
二度目の会合は十月二十六日午後六時四十八分、東京・赤坂の「広東名菜 赤坂離宮」で開かれた会合に馳せ参じ、同じように挨拶した。
言うままでもなく住田社長とは元運輸事務次官で、国鉄最後の総裁の住田正二(二〇一七年死去)のことだ。一九八七年に分割民営化された東日本旅客鉄道(JR東日本)の初代社長に就任した国鉄改革の立役者である。
JR東日本が自民党に働きかけて設立した職域団体であるときわ会は、職員を動員し、選挙の実働部隊となる。衆議院議員の任期満了まで一年を切っているだけに、菅も気を遣っているのだろう。だが、会合の挨拶はそれだけの理由ではない。菅とJRのあいだには、容易に光の届かない深く暗い因縁がある。
(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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