携帯電話料金引き下げ「菅政権」のチグハグな言い分
その一方、携帯の電波は公共インフラなので、これを利用する業者は極めて公的事業の性格が強いと言います。したがって3社が政府の言うことをきかなければ電波使用料を引き上げるぞ、とブラフをかけています。自由競争を謳いながら、完全な規制の強化。いったいどっちをやりたいのでしょうか。
携帯料金が下がるのは誰もが歓迎するのでキャッチ―な政策ではあります。菅さんは楽天のような新規参入業者の意見を聞き入れ、料金を引き下げることができる、と単純に考えているのでしょうが、そう簡単ではありません。ことは障害のない電波の安定供給、さらにこの先の通信事業に対する国家戦略の問題でもあります。
携帯料金は電力の自由化問題と似ていいます。たしかに公共性の強い業種であり、だからこそ規制も必要。欧米のように自由化した挙句に新規参入業者か淘汰され、逆に寡占化して電気料金が高止まりする危険性もある。単に人気が出るから、というだけの政策では行き詰ってしまいますよ。
ウーバーの限界「欧州では嫌われ者」
ただ、実際のウーバー人気は米国や東南アジアにとどまっているようで、米国好きの日本人が囃し立てているに過ぎない気もします。たとえばタクシーやバスが有名なロンドンに行くと、ウーバーの必要性は感じませんし、利用者も年間350万人と大したことはありません。そこへもってきて今度の1万4000件のなりすまし。雲助の心配が的中――。
浜松市の水道民営化「延期」の裏事情
とりわけ水道については、水メジャーの仏「ヴェオリア」と「スエズ」をはじめ、外資企業がインフラ資産120兆円といわれる日本の水道民営化市場を虎視眈々と狙っています。外資に公共事業を任せることを含め、検討課題はけっこうありますが、加えて内閣府や官邸主導の進め方にも問題ありかも。
浜松市は一足先に昨年来、下水道事業のコンセッション方式による民営化を始めており、上水道はその延長線上のようなもの。これに対し東京都は民営化を拒否しています。今度の浜松市の民営化計画延期は、来る4月の市長選対策ともいわれますので、そのあたりも要注意でしょう。
移民政策よりまずは国内環境の改善
これでは欧州と同じ分断国家、格差社会ができるのは目に見えています。労働問題を唱えるなら、その人手不足の業種に関する環境整備が先。国内問題なのです。
財源問題、消費税の使い道を含め、そこを避けるための移民政策という政府のすり替えは、将来に禍根を残すというほかありません。ここでも、儲かるのは総理のお友だちという話。
格差社会を広げる働き方改悪
大企業の従業員のベアや給料アップばかりがクローズアップされていますけど、中小には労働組合も少なく、賃金が抑えられているから、いくら日銀が金融緩和政策をとっても日本全体の購買力にはほとんど影響なく、物価があがるわけがありません。そんなことは少し考えれば誰もがわかりそうなものですが。