20億円の血税を使った「大阪都構想」住民投票
大都市制度の議論において一石を投じることだったのではないか――。
首相の菅義偉は大阪都構想の住民投票結果について、そう感想を述べた。「地域の判断なので政府としてコメントは控える」と前置きしながら、都構想を推進してきた日本維新の会を擁護する。それ自体が矛盾しているのだが、菅にとって大きな痛手なのは間違いない。
都構想の住民投票に敗れた維新の会代表の松井一郎大阪市長は、2023年4月の市長任期満了をもって政界を引退すると表明。後任を大阪府知事の吉村洋文に任せたい意向のようだが、吉村は意志を明らかにせず、この先進退を決めるという。
松井の政界引退は橋下徹代表時代の前回の住民投票に倣い、責任をとったつもりなのかもしれない。だが、むろん大阪府や大阪市の行政は都構想だけではない。自ら誘致した大阪万博やIRカジノ構想、リニア新幹線の延長計画もある。つまり、花火だけ打ち上げておいてそれらを投げ出すという引退宣言にほかならない。
(以下略)