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2020-11

20億円の血税を使った「大阪都構想」住民投票

 今週号の週刊現代「ジャーナリストの目」は大阪都構想問題です。

大都市制度の議論において一石を投じることだったのではないか――。
首相の菅義偉は大阪都構想の住民投票結果について、そう感想を述べた。「地域の判断なので政府としてコメントは控える」と前置きしながら、都構想を推進してきた日本維新の会を擁護する。それ自体が矛盾しているのだが、菅にとって大きな痛手なのは間違いない。
都構想の住民投票に敗れた維新の会代表の松井一郎大阪市長は、2023年4月の市長任期満了をもって政界を引退すると表明。後任を大阪府知事の吉村洋文に任せたい意向のようだが、吉村は意志を明らかにせず、この先進退を決めるという。
松井の政界引退は橋下徹代表時代の前回の住民投票に倣い、責任をとったつもりなのかもしれない。だが、むろん大阪府や大阪市の行政は都構想だけではない。自ら誘致した大阪万博やIRカジノ構想、リニア新幹線の延長計画もある。つまり、花火だけ打ち上げておいてそれらを投げ出すという引退宣言にほかならない。
(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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