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2022-08

奇跡の街「福岡」前編

 本日発売の週刊現代に福岡特集を書きました。

 その古い集合写真はリビングのいちばん目立つところに飾られていた。1993年4月10日、博多湾を望むシーサイドももちに完成した「福岡ドーム」のこけら落としイベントがおこなわれた。写真はその「ドリームライブ in 福岡ドーム」1周年を記念し、94年4月11日に撮ったのだという。イベントを企画した藤井伊九蔵がリビングの壁にかかっている写真の額を手に取り、懐かしそうに語り始めた。
「ドームのこけら落としは、岸川さんと野見山さん、私の3人で手分けしてコンサートを開こう、と彼らに声をかけましてね。ドームのオープンからちょうど1年が経ち、もういっぺん皆で集まろうか、と博多に呼んだときの写真です」
 写真のメンバーをざっと数えると、総勢23人いる。半分以上がテレビやラジオの関係者だ。前列の中心に、九州朝日放送(KBC)の岸川均、RKB毎日放送の野見山実、そしてテレビ西日本(TNC)の藤井伊九蔵という3人が座わっている。
(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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