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2010-04

JAL路線撤退会見の深層

 JALが45路線の撤退を発表しました。内訳は国内30路線、国際15路線。前原誠司国交相VS稲森和夫CEO衝突の火種になった国際線は稲森さんの主張どおり、かなり残し、おまけに、羽田便などを新たに増やすことも決めました。
 国際線のネットワークがなくなれば、企業ブランドというか、企業価値が損なわれ、近い将来、また経営難に陥る。それを避けるためにお国際線撤退を控えるというのが、稲森さんたちの主張のようです。しかし、それで赤字体質が改善されるかどうか。そこが疑問です。
 今回の路線撤退は、実行の半年前に決めなければならないという慣習から発表したようです。となると、これをもとに更生計画が見直されることになります。そこで問題は、路線撤退に対する銀行団の評価。追加融資をする銀行がこんな計画を飲めるのでしょうか。そもそも法的整理された会社にしては、あれこれ贅沢すぎるのでは……。こうして、JALはまたしても迷走する?

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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