漫画「紫電改343」完結へ 日本の空守るため「生きて帰る」部隊

「紫電改343」の原画の複製を持つ須本壮一さん=横浜市で2024年8月3日午後8時20分、鶴見泰寿撮影
「紫電改343」の原画の複製を持つ須本壮一さん=横浜市で2024年8月3日午後8時20分、鶴見泰寿撮影

 敗戦濃厚となった1944年、本土防衛のため旧日本海軍の精鋭航空部隊が松山市で編成された――。当時の最新鋭戦闘機と部隊名を冠した漫画「紫電改343」の作者、須本壮一さん(61)=横浜市=は、戦後80年となる2025年の完結に向けてペンを走らせる。「特攻作戦のあった終戦直前に、日本の空を守るため『生きて帰る』ことが求められた部隊。彼らの『生きて守る』考えを多くの人に知ってもらいたい」

 8月上旬、横浜市の須本さんのアトリエを訪れると、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)や戦艦大和などのプラモデルが飾られていた。これまで、ゼロ戦や戦艦大和を題材にした作品を発表している須本さん。ゼロ戦の取材で紫電改を知った。搭乗したのは「第343航空隊」の隊員たち。1941年の真珠湾攻撃の参謀で海軍大佐の源田実司令(享年84)が44年末、米軍機の空襲から日本を守るため、松山基地(現・松山空港)で編成した。全国から優秀なパイロットが集められ、剣部隊とも呼ばれた。終戦までに搭乗員の約8割が戦死したとされる。

 須本さんは2010年2月、同航空隊に所属した本田稔さん(享年98)に、13年4月には笠井智一さん(享年94)にそれぞれ話を聞く機会を得た。

 本田さんの話から、特攻が目的ではなく、…

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