北近畿タンゴ鉄道、運行会社を公募 「上下分離」導入で
京都府の第三セクター、北近畿タンゴ鉄道(KTR、京都府宮津市)は車両の運行などを担う運行会社の公募を始めた。施設の所有と運行を切り離す上下分離方式の導入に伴う措置で来年1月8日まで募集し、3月末までに事業者を決める。利用者の低迷で赤字経営に苦しむなか、民間のノウハウを取り入れて抜本的な経営改善に挑む。
運行会社には車両や線路使用料の支払い、保守や修繕などの維持管理を求める。使用料は年約1億4千万円を想定している。KTRの社員約180人の雇用継続のほか、コスト削減策や地域貢献への事業計画などの提案も併せて求める。
KTRは現在、宮津線(西舞鶴―豊岡)と宮福線(福知山―宮津)の2路線、計114キロを運行している。沿線人口の減少などを受けて、乗客数は減少傾向が続いている。
2012年度の利用者は187万人、運輸収入は約9億円。それぞれピークの6割程度に減った。経常損益は約8億4千万円の赤字で過去最悪。赤字は府や沿線自治体で補填しており、府はテコ入れに向けて9月に上下分離を決めていた。