米軍、チェック不完全認める 夜間外出禁止違反で
沖縄県内で相次ぐ米兵による事件の再発防止策を協議するため、外務省沖縄事務所は28日、米軍、自治体、県警、沖縄防衛局の担当者による会議を那覇市内で開いた。米軍は在日米軍全兵士を対象に夜間外出を禁止しているが、基地ゲートでの出入りチェックが不完全だと認め、外出禁止違反の米兵を飲食店が米軍に通報するホットラインの開設を提案した。
沖縄で10月に起きた米兵2人による女性暴行事件を受け、在日米軍は同19日、全兵士に午後11時から翌日午前5時までの外出禁止令を出した。しかし、その後も命令違反の米兵が飲酒後に住居侵入したり、暴行したりする事件が相次いだ。
28日の会議で、米軍側は「ゲートで身分証のチェックをしているが現時点では完全ではなく、努力している」と釈明。読谷村のトリイ通信施設でフェンスのない海側から外出した米兵数人を処分したと報告した。
新たな対策として、外出禁止令を破った米兵らが飲食店などにいた場合、店側が直接、米軍に通報するホットラインの開設を提案。上級下士官らが週末の夜間、沖縄市や宜野湾市などで行っている生活指導巡回を那覇市内でも始めたことも報告した。海軍は、午後11時に隊員が所属部隊に所在確認の電話をする独自の取り組みを始めたと説明した。
ただ、自治体側からは「米軍の再発防止策は効果を上げていない」との批判が続出。外出禁止令については違反者数、所属、処分などを積極的に公表するよう求めた。
森本敏防衛相が27日のアンジェレラ在日米軍司令官との会談で沖縄県警と米軍との共同パトロールを提案したことについて、県警は「米軍基地外の治安確保は日本側の責務だ」として、米憲兵隊との共同パトロールには否定的な意見を述べた。