毒グモに女性かまれる 期限切れ血清で快方に
福岡市は3日、同市東区の介護施設に入居する女性(86)が特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」にかまれ、病院に搬送されたと発表した。市が備蓄していた抗毒素血清は8月10日で使用期限切れとなっていたが、医師の判断で投与した。女性が訴えていた呼吸障害などの症状は快方に向かっており、命に別条はないという。
市生活衛生課などによると、3日午前11時半ごろ、女性が施設内で靴を履こうとした際、右足の小指に強い痛みを感じた。施設の看護師が靴の中に体長約1センチのセアカゴケグモがいるのを発見、捕獲した。女性は同市西区の病院に入院した。
血清は市が2010年10月にオーストラリアの業者から輸入、市立こども病院(同市中央区)で保管していた。8月24日に期限切れであることが判明し、市が輸入手続きを進めていたという。
福岡市でセアカゴケグモが発見されたのは今年18件目で、人がかまれたのは初めて。介護施設の敷地では3日、ほかにも約30匹が見つかっており、市は周辺住民らに注意を呼びかけている。