米HP、6950億円の最終赤字に 四半期で過去最大
5~7月
【シリコンバレー=奥平和行】米IT(情報技術)大手のヒューレット・パッカード(HP)が22日に発表した5~7月期決算は、最終損益が88億5700万ドル(約6950億円)の赤字(前年同期は19億2600万ドルの黒字)だった。企業買収にまつわる「のれん代」の減損処理やリストラ費用の増加が響き、赤字額が四半期ベースで過去最大に膨らんだ。
HPは2008年にITサービス大手の米エレクトロニック・データ・システムズ(EDS)を139億ドルで買収したが、足元の業績や低迷する株価などを受けて80億ドルを減損処理した。5月に発表した人員削減などリストラに関する費用もかさんだ。こうした一時的な費用の影響を除いた1株利益は1ドル(前年同期は1.10ドル)で市場予想の0.98ドルを上回った。
5~7月期の売上高は、前年同期比5%減の296億6900万ドルだった。欧州や中国の景気減速や競争激化の影響を受けて全社売上高の約3割を占めるパソコン部門が10%の減収になり、インクなど消耗品ビジネスが高収益をあげていたプリンター部門も売上高が3%減った。
同日のアナリスト向け電話会見でメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)は「12年10月期は当初予定を上回る1万1500人を削減する」と述べ、リストラが前倒しで進んでいると説明した。人員削減で浮かせた費用を研究開発費などに回して業績回復につなげたい考え。だが足元では景気減速などの影響で主力事業が軒並み苦戦しており、先行きは不透明だ。