日本国債の変動「驚くに当たらない」 FRB議長
【ワシントン=矢沢俊樹】米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は19日の記者会見で、日銀の金融緩和策について「同僚である黒田(東彦総裁)と日本(政府)の『3本の矢』政策を支持している」と強調した。日銀による金融緩和の影響で日本国債の取引などが不安定になっていることについて、「投資家は金融緩和に伴う反応を学んでいる段階であり、(長期金利の)変動があることは全く驚くにあたらない」との見解を示した。日本経済新聞記者の質問に答えた。
バーナンキ氏は「長年にわたり日本経済に根を下ろした非常に厄介なデフレ期待を打破するため、日銀は年2%のインフレ目標を掲げ闘っている」と説明。
長期金利の動向を巡っては、「日本国債は米国債に比べ流動性が少なく、日銀が(市場の変動を)注視すべきだ」としたが、「デフレに立ち向かうことが日本にはより重要」と異次元緩和を全面的に支持する考えを繰り返した。同時に日本政府が財政健全化と経済構造改革にも力を入れるべきだと語った。
一方、FRBの量的緩和や出口政策に伴う新興国市場への資本流出入といった影響について、「注視している」と指摘。ただ、「世界経済の成長は米経済が合理的な速度で伸びていけるかどうかに大きく左右される」として、FRBの超緩和的な金融政策が現段階では適切だとの考えを示した。