共和党、ロムニー氏を候補に指名 米大統領選
政権奪還めざす
【タンパ(米フロリダ州)=吉野直也】米共和党は28日の党大会で、ロムニー前マサチューセッツ州知事(65)を11月の大統領選の候補に指名した。副大統領候補にはライアン下院予算委員長(42)を選んだ。ロムニー、ライアン両氏のコンビで民主党のオバマ大統領、バイデン副大統領に挑み、4年ぶりの政権奪還をめざす。
実質的な議事日程の初日となった28日の党大会は、各州代議員による大統領候補の指名を集計した。ロムニー氏が指名に必要な過半数の代議員を獲得した。大会最終日の30日に指名受諾演説をする。米メディアでオバマ、ロムニー両氏の支持率は拮抗しており、11月の大統領選に向けた共和、民主両党の選挙戦は一段と激しくなる。
28日は大統領選の公約となる政策綱領も採択した。「アメリカンドリームが危機にある」と強調。「共和党は『力による平和』の党だ。米国は世界で最も強い軍事力と経済力を持つべきだ。国防費の削減に反対する」と訴え、「強い米国」の復活を掲げた。オバマ氏の外交については「弱腰」と決めつけた。
中国の通貨政策に関して「変更しなければ、相殺関税を課す」と言明。「アジア市場を開放させるため、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を完了させる」と、自由貿易の推進を盛り込んだ。個人所得税など2千億ドル規模の包括減税「ブッシュ減税」の延長やオバマ政権の医療保険改革については「大統領就任初日に撤廃」と明記した。
金本位制の復活の可能性を含め、ドルの価値を固定する方策を話し合う委員会の設置を打ち出した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の透明性も要請した。
民主党は9月4日からノースカロライナ州シャーロットで開く党大会で、オバマ氏を大統領候補に正式に指名する。共和、民主両党の党大会が終わると、10月には両大統領候補や副大統領候補による討論会がある。