ブータン総選挙、野党が勝利 政権交代へ
【ニューデリー=岩城聡】ブータンは13日、任期満了に伴う国民議会(下院、定数47)の総選挙を投開票し、選挙管理委員会によると野党の国民民主党が過半数を獲得する見込みとなった。与党のブータン調和党に代わって政権に就く。ブータン調和党は5月末の予備選で民主党に大差をつけて勝利したが、民主党は予備選で敗退した少数政党の候補者を引き抜いて自党候補として擁立し、形勢を逆転した。
ブータンは物質的な豊かさより精神的な満足度を重視する「国民総幸福(GNH)」を国是とするが、外国からの支援に頼む「幸福感」は不安定さが増している。今月1日には最大援助国であるインドが、ブータンの中国寄りの政策に反発し石油製品に関する同国への補助金を停止すると発表。対印関係の悪化を懸念した有権者が、野党支持にまわった可能性も指摘されている。