大飯断層の判断、9月は困難 規制委が調査終了
再稼働の安全審査に影響も
原子力規制委員会は28日、関西電力大飯原子力発電所(福井県)の直下を走る断層について3度目の現地調査を終えた。島崎邦彦委員長代理は8月にも開く専門家会合で活断層か慎重に見極める考えを示した。運転中の3、4号機が定期検査に入る9月までに最終判断を示すのは困難とみられ、再稼働の前提となる安全審査に影響する可能性も出てきた。
規制委は昨年11月と12月に活断層の疑いがある「F-6断層」について現地調査したが、専門家の意見は分かれている。関電は定期検査終了後の再稼働を目指し、8日に安全審査を申請した。規制委は一定の見解がまとまるまで審査を進めない方針で、今回の調査結果は審査スケジュールに大きな影響を及ぼす。
島崎氏と2人の専門家が敷地の南北に関電が掘った2つの試掘溝などを視察した。今回参加できなかった2人の専門家が近く現地調査したうえで、評価会合を開く。ただ、今回の調査で見解がまとまるかは不透明だ。
関電は25日に規制委に提出した報告書でF-6を「活断層ではない」と主張している。今回の調査でも島崎氏らに主張の根拠を説明した。
豊松秀己副社長は28日夕、高浜3、4号機(福井県)で津波対策を進める考えを表明した。同社は想定される最大級の津波の高さを評価し直す方針を示しており、豊松副社長は規制委に申請した同原発の安全審査が進むことに期待を示した。