高齢者医療へ公費投入拡充を 大企業健保などが要望書
厚生労働省は27日、社会保障審議会医療保険部会を開いた。政府の社会保障制度改革国民会議の委員である部会長に対し、大企業が多い健康保険組合の代表などが要望書を提出。75歳以上の高齢者の医療給付費に公費の投入を増やし、保険者の負担を減らすよう求めた。所得に応じて健保組合の負担を多くする「総報酬割」の全面導入に対しても慎重意見が相次いだ。
75歳以上の高齢者の医療給付費は約5割を国や自治体の公費で負担。残りを高齢者の保険料と国民健康保険や健保組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)など保険者からの支援金でまかなう。部会では健保組合や協会けんぽ、経済団体や労働組合の代表が連名で消費増税を医療費財源に活用するよう求める要望書を出した。
総報酬割の全面導入には、財政難に陥っている保険者への公費投入や、高齢者の自己負担引き上げと合わせて検討すべきだとの意見が多く出た。