米大統領、シェールガス対日輸出に前向き
首相が早期承認を要請
【ワシントン=原田逸策】安倍晋三首相とオバマ米大統領の首脳会談では、エネルギー分野など両国の経済協力を深めることでも一致した。
首相は米国の新型ガス「シェールガス」の対日輸出について「震災後、日本は燃料費削減が喫緊の課題。対日輸出が早期承認されるよう改めてお願いしたい」と要請。大統領は「同盟国としての日本の重要性は常に念頭に置いている」と応じ、輸出許可に前向きな姿勢をみせた。シェールガスは液化や輸送のコストを含めても日本の液化天然ガス(LNG)の輸入価格より3割ほど安い。
原子力政策を巡っては、首相が「『2030年代に原発稼働ゼロ』の前政権の方針はゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築したい」と述べて「原発ゼロ」の見直しを表明した。そのうえで北朝鮮の核実験も念頭に「核不拡散、平和利用の国際的責務を果たす。米国とは協力パートナーとして緊密連携していきたい」と語った。大統領も「日米間の協力を進めたい」と応じた。
日米両国で再生可能エネルギーなど「クリーンエネルギー」の開発、普及で協力を深めることでも一致した。今後、日米の民間企業の投資を促す方策などを検討する。
首相は、米国の高速鉄道整備計画に協力し、実用化の段階にある超電導リニアモーターカーの技術を提供することも提案した。