TPP交渉妥結へ連携強化 経産相・USTR代表
米通商代表部(USTR)のフロマン代表は18日、6月の就任後、初めて来日し、茂木敏充経済産業相と会談した。両氏は環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る交渉の早期妥結へ連携を強化する方針で一致。フロマン代表は交渉の年内妥結に意欲を示して日本に協力を要請し、茂木経産相は「年内妥結に向けて建設的・協力的に取り組んでいきたい」と応じた。
フロマン代表は茂木経産相と7月にも米国で会談。今月19日には甘利明経済財政・再生相や林芳正農相とも会談する方向だ。22日からブルネイで始まるTPP交渉会合を前に、日本と米国が歩調を合わせておく必要があると判断したもようだ。
会談では冒頭、茂木経産相が「日本もTPPの準備を進めてきている。自由貿易の推進に向けて連携を深めたい」と表明。これに対し、フロマン代表は「多くの課題に関して協力を期待している」と述べ、TPP交渉の加速を求めた。
米オバマ政権は来年秋の中間選挙で、TPP交渉の妥結を成果として示したい考え。このため今年中の妥結を目標に掲げるが、交渉は遅れており、来年春ごろにヤマ場を迎える見通しだ。ただ、7月に正式に交渉参加したばかりの日本にとってはTPPの交渉が遅れるほど日本の交渉余地は広がり有利になる。日米で思惑がすれ違っている面もある。米国側には日本を最大の交渉相手と見て、交渉スピードを落とさないようにくぎを刺す狙いもあったようだ。
両氏はTPP交渉に合わせて重点課題を話し合う日米間の並行協議でも協議を早める考えで一致した。