慰安婦巡る橋下氏発言、閣僚から批判相次ぐ
日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が旧日本軍の従軍慰安婦を容認した発言を巡り、14日の閣議後の記者会見で閣僚から批判や懸念が相次いだ。稲田朋美行政改革相は「女性の人権への侵害だ」と不快感を表明。「今の時点で必要性を強調する必要があるのか」(谷垣禎一法相)、「あえて発言する意味があるのか」(下村博文文部科学相)と発言の意図をいぶかる声も目立った。
岸田文雄外相は「個々の問題が全体の2国間関係に影響を及ぼさないよう、大局的な見地からしっかりコントロールしたい」と対韓外交への悪影響を憂慮。菅義偉官房長官は「筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々の思いに非常に心が痛む。この点については安倍内閣も歴代内閣と同様の思いで臨んでいる」との立場を説明した。
与党からは、自民党の石破茂幹事長が14日午前の記者会見で「国政を担う党のトップはよく配慮しないと国益を損なう」と批判。野田聖子総務会長も「論外だ」と述べた。公明党の山口那津男代表は政府が旧日本軍による従軍慰安婦の強制連行を事実上認めた「河野談話」に言及し「国際社会の中で趣旨は浸透している。尊重すべきだ」との考えを示した。
社民党の福島瑞穂党首は国会内で記者団に「戦争遂行のために女性の人権をじゅうりんしても構わないという本当にひどい発言だ。撤回、謝罪を強く求めていく」と厳しく批判した。