首相、日本郵政の社長交代要請を示唆 衆院予算委
日銀法改正、デフレ脱却の成果で判断
安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、政府・与党内から批判が出ている日本郵政の社長人事を巡り、同社の6月の株主総会で社長交代を求める可能性を示唆した。日銀法改正に関してはデフレ脱却に向け「日銀新総裁の手腕が重要だ。結果が出なければ日銀法改正も現実味を帯びてくる」との考えを示した。
日本郵政は昨年12月の衆院選直後に旧大蔵省出身の坂篤郎氏(当時副社長)が社長に昇格した。菅義偉官房長官は5日に「自民党政権になることが分かっていた時で非常識だと思っていた。今も全くその通りだと思っている」と批判。首相は8日の予算委で「長官の発言は内閣を代表している。当然、重たい発言だ」と述べ、人事が不適切だったとの認識をにじませた。
一方、日本郵政を所管する新藤義孝総務相は「社長の選任は日本郵政の経営判断に委ねられており、まずはそれを尊重すべきだ」と述べるにとどめた。
首相は予算委で「常に日銀法の改正を視野に入れている」と強調。「(デフレ脱却の)結果を出すことが大切だ」とも語った。首相はこれまで同法改正を巡り「将来の選択肢の一つとして視野に入れていく」としていた。日銀には法改正への慎重論があり、首相の発言は日銀に対するけん制となりそうだ。