1~3月期GDP、年率3.5%増 2四半期連続プラス
内閣府が16日発表した2013年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率換算では3.5%増だった。プラスは2四半期連続。円安や株高を背景に景気回復に対する期待が広がり、個人消費が伸びた。設備投資はマイナスが続いた。
QUICKが15日時点で集計した民間予測の中央値は前期比0.7%増、年率2.8%増だった。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.4%増、年率では1.5%増だった。名目でも2四半期連続のプラスだった。
実質GDPの内訳は内需が0.5%分押し上げ、外需は0.4%分のプラスだった。輸出は3.8%増。米国向け自動車などの輸出が堅調で、中国や欧州向けの輸出低迷を補った。輸入は1.0%増。液化天然ガス(LNG)などエネルギーの国際価格上昇は止まったが、円安が輸入額を押し上げた。
項目別を見ると、個人消費が0.9%増と2四半期連続でプラス。増加幅は前期から拡大した。エコカー補助金の終了による自動車需要の反動減が一巡し、新車販売が増えた。円安、株高効果で消費者心理が改善し、外食や衣料、宝飾品などの高額品が伸びた。住宅投資は1.9%増加した。
設備投資は0.7%減。減少は5四半期連続。企業の慎重姿勢が目立ち、生産能力の調整や設備投資先送りの動きが続いた。公共投資は0.8%増。民間在庫の寄与度は0.2%のマイナスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてマイナス1.2%。14四半期連続で前年を下回った。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.9%下落した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕