日銀総裁「消費増税でも経済は前向きな循環維持」
日銀の黒田東彦総裁は5日の金融政策決定会合後の記者会見で、消費増税が経済に与える影響を巡り、「仮に(増税実施で)2%の物価安定目標の実現に下方リスクが顕在化すれば、当然それに対して適切な対応をとる」と強調した。消費増税で財政の信認が守られるならば、景気に悪影響を与えたとしても「財政政策でも十分対応できる」とも語った。
「2%の物価安定目標を達成していくことと消費税率の引き上げは両立している」と改めて強調。「消費増税でも経済の前向きな循環は維持される」と述べたうえで、追加の金融緩和策については「今の時点ではそういう状況ではない」といい、リスク要因を見極めていく考えを示した。
消費増税が景気にプラスの影響を与えるかと問われると、「やった場合のプラス面は色々な議論があるが、やらないときのマイナス面とやったときのマイナス面とリスクをよく比較する必要がある」と語った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕