ロボットスーツ「HAL」が欧州で医療機器の認証取得
サイバーダインは2013年8月5日、医療用に新たに開発したロボットスーツ「HAL」が欧州における医療機器の認証を取得したと発表した。これにより、EU(欧州連合)全域でロボットスーツHALを医療機器として販売できるようになった。
具体的には、第三者認証機関であるドイツのテュフラインランドが、欧州医療機器指令(MDD:medical device directive)に適合していることを証明する認証を発行した。これにより、ロボットスーツHALが医療機器としてCEマーキングの認証を取得した。なお、サイバーダインは2012年12月、医療機器を製造するために必要な品質マネジメント・システム「ISO 13485」の認証を取得している。


今回の認証の対象(医療機器としての効果効能)は、「脊髄損傷や脳卒中によって歩行困難となった患者の機能回復」(サイバーダイン 代表取締役CEOの山海嘉之氏)。医療機器としての認証取得に当たっては、従来仕様のロボットスーツHALに対して130以上の改良を加えたという。例えば、「認証基準に合わせて回路設計を見直すなど、細かい改良を積み上げた」(山海氏)。
ロボットスーツHALが医療機器の認証を取得するのは今回が初めて。今後、米国やアジアなど欧州以外の国・地域においても医療機器としての認証に必要な手続きを進めていく考え。国内では、認証に向けた治験を進めている段階である。
(小谷卓也 日経エレクトロニクス兼デジタルヘルスOnline)
[Tech-On! 2013年8月6日掲載]